「割引価格」から「元の価格(定価)」を簡単に算出する考え方の解説
はじめに
日常生活での買い物などや、もしくは算数や数学などの問題に接した際に、
例えば「定価2500円の3割引の価格はいくらか」と聞かれた場合は、
割引額が、
2500円×0.3=750円
なので、
割引後の価格は、
2500円-750円=1750円 …答え
と算出するか、もしくは、
2500円×(1-0.3)=2500円×0.7=1750円 …答え
と簡単に計算出来る方が多いと思いますが、
逆に、
「3割引の価格が1750円の場合、元の価格(定価)はいくらか?」
となった途端に「?」となってしまう方は非常に多いと思います。
小学校では公式を用いての計算方法を習う訳ですが、「意味も分からず公式で丸覚え」したって中学生になったり大人になったりしたら忘れてしまいますし、それからまた丸覚えして、また忘れてを繰り返すのは非常に非効率である訳です。
と言う訳で、ここでは丸覚えではない、「きちんと意味を理解して考える方法」を記したいと思います。一度しっかり理解すれば「忘れようがないほど簡単な内容」であると思います。
「割引価格」から「元の価格(定価)」を算出する考え方
■元の価格(定価)と割引価格の「比率」を考える
上の例題「3割引の価格が1750円の場合、元の価格(定価)はいくらか?」を使って説明を進めます。
考える内容を「見える化」する為に線分図を使用します。慣れたら線分図は「全く不要」と言えるほど簡単な内容となります。
元の価格(定価)は10割です。
これを以下の長さで表します。
├─────────┤10割(?円)
3割引と言うのは、すなわち
全体の7割が残っていますので、
├──────┤7割(1750円)
例えば1割が「1cmの長さ」なら、上段は10cmで下段は7cmとなっています(本来は長さの単位は不要ですが、イメージしやすいようにcmを付けています)。
極めて当たり前の話として、
ですから、下段の長さが1750円なのであれば、上段の金額は、
と簡単に分かります。
■分数を使わない方法
上で述べた内容と「考え方としてはほとんど同じ」と言えなくも無いのですが、計算過程において分数を使わない方法(考え方)は以下の通りです。
上記の線分図に、「1割=1目盛り」の目盛りを入れると以下の通りです。
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤10割(?円)
├┼┼┼┼┼┼┤7割(1750円)
下段を見ると、
1目盛り=1750円÷7=250円
とすぐに分かりますので、
上段はそれが10目盛り分ですから、
250円×10=2500円…答え
と簡単に分かります。
百分率(パーセント)の場合も例示しておきます
上の説明の例題は3「割」引きでしたが、百分率(パーセント)で表現されている場合も考え方は全く同じですが、念のため例示しておきます。
例題は質問サイトの過去ログより引用したいと思います。
■例題
定価x円の品物を定価の15%引きで買ったとき、1275円支払いました。
定価を求めなさい。
■解答(解説)
定価(全体)が100%なので、
15%引きの価格というのは定価(全体の)、
100%-15%=85%
です。
線分図を書くと、
├─────────┤100%(?円)
├───────┤85%(1275円)
ですから、
としても答えは出ますし、
線分図に「1%が1目盛り」の細かい目盛りが入っていると考えると(上段が100目盛りで下段が85目盛り)、
下段により、
1目盛り=1275円÷85(目盛り)=15円
と分かりますので、
上段の価格(定価)は、
15円×100(目盛り)=1500円 …答え
と分かります。
おわりに
「割引価格」から「元の価格(定価)」を簡単に算出する考え方を解説してみました。