易しめの「損益算」の文章題を5つ集めて「一次方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、易しめの「損益算」の文章題を5つご紹介します。最も初歩的な単純計算(方程式は全く不要なもの)よりは複雑だが、比較的易しめの問題を選んでいます。
自分で解いてみた解答も併せて記します。一次方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「一次方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
なお、「損益算」の最も基本の部分からお知りになりたい場合は、本ブログの別記事であるコチラの前半をご参照下さい。
一次方程式で解いてみた損益算(その1)
ある品物に原価の3割5分の利益を見込んで売ったら売れなかったので、
定価の2割引きで売ったところ160円の利益になりました。
この品物の定価はいくらですか。
■私が考えた解答(解説)
最も初歩的な問題となります。
問われているのは定価ですが、
まずは原価をa円とおきます。 …①
すると定価は原価a円の3割5分増しなので、
1.35a …②
と表すことが出来て、
定価②の2割引き(売価)は、すなわち0.8倍なので、
1.35a×0.8 …③
売価③-原価①=利益160円
なので、
1.35a×0.8-a=160
という一次方程式を立てることが出来て、これを解きます。
左辺を計算すると、
1.08a-a=160
0.08a=160
両辺を0.08で割ると、
a=2000 …解(原価)
以上、原価a=2000(円)と分かったので、
答え(定価②)は、
1.35×2000=2700 …答え
答え 2700円
一次方程式で解いてみた損益算(その2)
ある商品の定価の12%引きで売ると200円の利益があり、3割引きで売ると340円の損失になります。この商品の原価はいくらですか
解説お願いします 損益算 - ある商品の定価の12%引きで売ると200円の利益があ... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
問われているのは原価ですが、
まずは定価をa円とします。
定価の12%引きの売価は、
すなわち定価の88%なので、
0.88a
と表すことが出来て(この時の利益は200円)、
売価から利益を引くと原価なので、
原価=0.88a-200 …①
また、定価の3割引きの売価は、
すなわち定価の7割なので、
0.7a
と表すことが出来て(この時は損失が340円)。
売価に損失を足せば原価なので、
原価=0.7a+340 …②
①も②も同じ「原価」を表しているので、
すなわち①=②なので、
0.88a-200=0.7a+340
という一次方程式を立てることが出来て、これを解きます。
移項して計算すると、
0.18a=540
両辺を0.18で割ると、
a=3000 …解
求めたい答え(原価は)、aを②に代入し、
原価=0.7×3000+340=2100+340=2440 …答え
答え 2440円
一次方程式で解いてみた損益算(その3)
100個の製品を仕入れて2割の利益を見込んで定価をつけ60個売った。
その後、定価の2割引で40個売ると、利益は合計で8320円となった。
この製品の仕入れ値はいくらか?[文章題 割合・損益算]100個の製品を仕入れて2割の利益を見込んで定価をつけ60個... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
1個の仕入れ値を問われているものとして書き進めます。以下、1個の仕入れ値を「原価」と称します。
原価をa円とします。 …①
定価は原価の2割増しなので、
1.2a (円) …②
定価の2割引きの売価は、
すなわち定価の8割なので、
1.2a×0.8 (円) …③
さて、仕入れ値総額は①が100個分なので、
a×100 …④
また、売上総額は、
②が60個分+③が40個分なので、
すなわち、②×60+③×40 なので、
1.2a×60+1.2a×0.8×40 …⑤
売上総額⑤=仕入れ値総額④+利益8320円
なので、
1.2a×60+1.2a×0.8×40=a×100+8320
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
両辺を計算すると、
72a+38.4a=100a+8320
移項して計算すると、
10.4a=8320
両辺を10.4で割ると、
a=800 …原価(答え)
答え 800円
一次方程式で解いてみた損益算(その4)
ある商品を定価で1個売ると
2700円の利益があります。この商品を定価の15%引きで
15個売ったときの利益は、
定価の10%引きで9個売った
ときと同じになります。この商品の原価は何円ですか?
■私が考えた解答(解説)
原価をa円とします。
定価=原価+利益 なので、
定価=a+2700 …(ア)
と表すことが出来て、
定価の15%引きは、すなわち定価(ア)の85%なので、
(a+2700)×0.85
この時の利益は、これから原価a円を引けば良いので、
(a+2700)×0.85-a …①
また、定価の10%引きは、すなわち定価(ア)の90%なので、
(a+2700)×0.9
この時の利益は、これから原価a円を引けば良いので、
(a+2700)×0.9-a …②
定価の15%引きで15個売った時の利益と、定価の10%引きで9個売った時の利益が同じであるということは、すなわち、
①×15=②×9
なので、
{(a+2700)×0.85-a}×15={(a+2700)×0.9-a}×9
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
計算を進めると、
{0.85a+2295-a}×15={0.9a+2430-a}×9
{-0.15a+2295}×15={-0.1a+2430}×9
-2.25a+34425=-0.9a+21870
移項して計算すると、
-1.35a=-12555
両辺を-1.35で割ると、
a=9300 …原価(答え)
答え 9300円
一次方程式で解いてみた損益算(その5)
原価96円の布と原価75円の和紙を合わせて520個仕入れた。布には25%、和紙には12%の利益を見込んで定価をつけた。全部売れると7680円の利益になる。和紙は何個仕入れたか。
■私が考えた解答(解説)
和紙の個数をa個とします。
合わせて520個なので、布の個数は、
520-a (個)
布に関して
・1個あたりの利益(円)は、原価の25%なので、
96×0.25
・従って布全体の利益(円)は、上記×個数なので、
96×0.25×(520-a) …①
和紙に関して
・1個あたりの利益(円)は、原価の12%なので、
75×0.12
・従って和紙全体の利益(円)は、上記×個数なので、
75×0.12×a …②
①と②を合わせると、利益総計は7680円なので、
96×0.25×(520-a)+75×0.12×a=7680
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
左辺を計算すると、
12480-24a+9a=7680
移項して計算すると、
-15a=-4800
両辺を-15で割ると、
a=320 …答え
答え 320個
おわりに
易しめの「損益算」を解説しながら一次方程式で解いてみました。