「整数」の文章題を3つ集めて詳しく解説しながら「連立方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、「整数」に関する文章題を3つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。連立方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「連立方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
最初に基本事項(式の立て方)の解説
今回取り上げるような文章題を解く際の基本事項を最初に述べます。
例えば
53 (ごじゅうさん)
という数は、
5×10+3
と表すことが出来ます。
従って十の位がa、一の位がbの、
ab (えーじゅうびー)
という数は、
a×10+b
すなわち、
10a+b
という風に表すことが出来ます。
「十の位の数と一の位の数を求めなさい」というような問題の場合、上のようにa、bと未知数を設定することにより式の立て方を考えます。
※ ※ ※ ※ ※
桁数が増えても同様で、例えば、
xyz (えっくすひゃくわいじゅうぜっと)
なら、
100x+10y+z
となります。
実際の問題(中学数学の連立方程式の範囲)では未知数は2つまでなので、例えば「十の位の数と一の位の数は同じ」などの条件が付いており、
100x+10y+y
というような「未知数が2つの式」で考えることになります。
基本事項の解説は以上です。では、実際の問題を解いていきます。
連立方程式で解いてみた「整数」の文章題(その1)
2けたの整数があって十の位の数は一の位の数よりも2だけ小さい。この整数を2倍した数からもとの整数の一の位の数と十の位の数を入れかえた数をひいたところ17になったという。もとの2けたの整数を求めなさい。
■私が考えた解答(解説)
元の2桁の整数の、十の位の数をa、一の位の数をbとします。
すると元の2桁の整数は、
10a+b …(ア)
と表すことが出来て、
「一の位の数と十の位の数を入れ替えた数」は、
10b+a …(イ)
と表すことが出来て、
(ア)を2倍したものから(イ)を引くと17なので、
(10a+b)×2-(10b+a)=17 …①
また、十の位の数は一の位の数よりも2だけ小さいので、
b-a=2 …②
この①、②を連立方程式として解くと答えが得られます(実際の問題の解答ではこの①、②式から書き始めれば十分と思います。2問目以降も同様)。
①の左辺を計算すると、
20a+2b-10b-a=17
19a-8b=17 …①'
②の両辺を8倍して左辺を並べ替えると、
-8a+8b=16 …②'
加減法で、式①'+式②' より、
11a=33
両辺を11で割ると、
a=3
aを②に代入すると、
b-3=2
移項して計算すると、
b=5
以上により答え(元の2桁の整数)は、
10a+b=10×3+5=35
答え 35
連立方程式で解いてみた「整数」の文章題(その2)
2けたの正の整数がある。
この整数は10の位の数と1の位の数の和の4倍である。
またこの整数の10の位の数と1の位の数をいれかえてできる数はもとの整数の2倍より9小さい。
もとの整数を求めなさい。
■私が考えた解答(解説)
元の2桁の整数の、十の位の数をa、一の位の数をbとします。
すると元の2桁の整数は、
10a+b …(ア)
と表すことが出来て、
この(ア)は「十の位の数aと一の位の数bの和の4倍」なので、
10a+b=(a+b)×4 …①
また、十の位の数と一の位の数を入れ替えた整数は、
10b+a …(イ)
と表すことが出来て、
(イ)は(ア)の2倍より9小さいので、
10b+a=(10a+b)×2-9 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①の右辺を計算すると、
10a+b=4a+4b
移項して計算すると、
6a-3b=0 …①'
②の右辺を計算すると、
10b+a=20a+2b-9
移項して計算すると、
-19a+8b=-9 …②'
①'の両辺を3で割ると、
2a-b=0 …※
両辺に8を掛けると、
16a-8b=0 …①''
加減法で、式②'+式①'' より、
-3a=-9
両辺を-3で割ると、
a=3
aを※式に代入すると、
6-b=0
従って、
b=6
以上により答え(元の2桁の整数)は、
10a+b=10×3+6=36
答え 36
連立方程式で解いてみた「整数」の文章題(その3)
3けたの正の整数がある。
この整数の十の位の数は5で
各位の数の和は、百の位の数の7倍である。
また、百の位の数と一の位の数を入れ替えた数は、
もとの数より495大きいという。
もとの数を求めなさい。
■私が考えた解答(解説)
百の位の数をa、一の位の数をbとします。
(十の位の数は5と分かっています)。
各位の数の和は、百の位の数aの7倍なので、
a+5+b=7a …①
また、
元の3桁の整数は、
a×100+5×10+b
すなわち、
100a+50+b …(ア)
と表すことが出来て、
百の位の数と一の位の数を入れ替えた整数は、
上記と同様に、
100b+50+a …(イ)
と表すことが出来て、
(イ)は(ア)よりも495大きいので、
100b+50+a-(100a+50+b)=495 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①について、移項して計算すると、
b=6a-5 …①'
②の計算を進めると、
100b+50+a-100a-50-b=495
-99a+99b=495
両辺を99で割ると、
-a+b=5
bに①'を代入すると、
-a+6a-5=5
移項して計算すると、
5a=10
両辺を5で割ると、
a=2
aを①'に代入すると、
b=12-5=7
以上により、答え(元の整数)は、
100a+50+b=100×2+50+7=257
答え 257
おわりに
「整数」の文章題を詳しく解説しながら連立方程式で解いてみました。