方程式の文章題を、方程式を使わず「算数」で簡単に解いてみた
はじめに
中学生のテスト問題等で出題されるレベルの「方程式の文章題」について、方程式を使わずに「算数」で簡単に解いてみました。
質問サイトの過去ページから色んなパターンの問題を5問集めて解いています。解答は解説付きで記しています。
解説付きなので解答は長めですが、計算自体は簡単なレベルの問題としています。
問題その1
ある中学校で昨年度の新入生は男女合わせて140人でしたが、今年度は昨年度に比べて男子が10%減り女子が5%増えたので男女あわせて5人減った。今年度の男子・女子の新入生の人数をそれぞれ求めなさい。
解答
鶴亀算で解いてみたいと思います。
仮に昨年度の140人が全て男子であり、女子はゼロと仮定すると、
今年に増減する人数は、
・男子…140人×10%=140人×0.1=14人減少
・女子…0人×5%=0人×0.05=0人増加
・合計…上記の差し引きで14人減少 …①
上記の仮定より、140人の内20人ずつ男子→女子と仮定を変更すると、
男子の減少数は
20人×0.1=2人
少なくなり、
女子の増加数は
20人×0.05=1人
多くなるので、
①の減少数は
2人+1人=3人 …②
少なくなります。
従って最初の仮定より「140人の内20人ずつ男子→女子」を3回繰り返せば、
①の「14人減少」は、
②の「3人」の3回分の「9人」少なくなって、
14人ー9人=5人(の減少)
となり題意(男女合わせて5人減った)と合いますので、
昨年度の人数は
男子…140人ー20人×3(回)=80人
女子…20人×3(回)=60人
と分かりますので、
今年の人数(答え)は、
男子…80人×90%=80人×0.9=72人 …答え
女子…60人×105%=60人×1.05=63人 …答え
と分かります。
問題その2
現在、父は43歳、弟は9歳である。父の年齢が弟の年齢の3倍になるのは何年後か求めなさい。
解答
最初に、2人の年齢差は
43ー9=34(歳)
であり、これは何年経っても変わらないことに着目します。
何年後かに「父の年齢が弟の年齢の3倍」になった時の年齢を線分図で表すと、
父の年齢├─┼─┼─┤
弟の年齢├─┤
このように弟が1目盛りで、父がその3倍の3目盛りとなっていて、当然ながら差は2目盛りとなっています。
この時も年齢差は34歳ですから、
1目盛り=34歳÷2(目盛り)=17歳
と分かりますので、
この時の2人の年齢は、
父の年齢=17歳×3(目盛り)=51歳
弟の年齢=17歳×1(目盛り)=17歳
と分かりますので、
どちらの年齢で考えても、これは今から
8年後…答え
と分かります。
問題その3
家から学校までを往復するのに、行きは毎分120m、帰りは毎分180mの速さで歩いたら、 合計で15分かかった。 家から学校までの道のりをもとめなさい。
解答
所要時間は速度の逆比となりますので、
所要時間に関して、
行き:帰り=180:120=3:2
と分かります。
すなわち、合計15分の内訳は、
行き:帰り=9分:6分 …※
となっていると分かります(後述)。
従って道のりは、
行きで考えても、
毎分120m×9分=1080m…答え
帰りで考えても、
毎分180m×6分=1080m…答え
※以降、「合計15分を3:2で分けたら9分:6分となる」部分が分からない方向けの補足説明です。
所要時間を線分図で表すと、
行き├─┼─┼─┤
帰り├─┼─┤
この合計
3+2=5(目盛り)
が時間で言えば「15分」なので、
1目盛り=15分÷5(目盛り)=3分
と分かりますので、
行き…3分×3(目盛り)=9分
帰り…3分×2(目盛り)=6分
と分かります。
問題その4
あるクラスの生徒が長いすにすわるのに、4人ずつすわると6人がすわれず、 5人ずつすわると最後のいすにすわるのが2人だけになりました。 生徒の人数を求めなさい。
解答
全ての長いすに4人ずつ座っていて、座れない6人が横に立っている状況から考えます。
ある長いすを「椅子A」と名付けるとして、そこから2人を残して2人が立ち上がります。すると立っている人は8人となります。
「椅子A」以外の4人ずつ座っている長いすに、立っている8人が1人ずつ「5人目」として座っていくと、ぴったり座ることができます。何故ならこの状態が「5人ずつ座ると最後の椅子(椅子A)は2人となる」という状態に他ならない為です。
立っていた8人が1人ずつぴったり座れた訳なので、「5人ずつ」となった長いすは8つあると分かりますので、これらの人数に「椅子A」の2人を加えたものが総人数となります。
総人数=5人×8+2人=42人 …答え
問題その5
A君の家から駅まではB君の家から駅までより200m遠い。ある日同時に家を出て駅に向かった。A君は毎分100mでB君は毎分80mだった。駅に同時についた。それぞれの家から駅までの道のりを求めなさい
問題文より、
・2人は同じ時間進んでいる。
・A君のほうが200m多く進んでいる。
と分かります。この二点より答えを導き出します。
同じ時間を進んでいるので、2人が進んだ距離(道のり)は速度に比例するので、
進んだ距離の比は、
A君:B君=100:80=5:4
進んだ距離の線分図
A君├─┼─┼─┼─┼─┤
B君├─┼─┼─┼─┤
A君のほうが200m多く進んでいますので、線分図の1目盛りは200mに相当すると分かりますので、
A君の進んだ距離
200m×5(目盛り)=1000m …答え
B君の進んだ距離
200m×4(目盛り)=800m …答え
となり、これがそれぞれの家から駅までの距離に他なりませんので、これが答えとなります。
おわりに
今回は「方程式で解くよりも算数で解いたほうが、労力が少ないか、もしくは同じくらい」の問題を選んでいます。
問題の内容によっては、そのまま素直に方程式で解くほうが労力が少ないものも多々ありますのでご留意下さい。