「速さの公式」を丸覚えではなく「しっかり理解出来る」為の解説
はじめに
※本記事は2020年04月21日に一から書き直しています。
速さ(速度)の公式は、
・速度×時間=距離
・距離÷時間=速度
・距離÷速度=時間
ですが、小学算数でも中学数学でもその他でも、「速度の文章題」を解く際に上記公式を丸覚えして数値を当てはめるだけだったり、もしくは「はじき」の図を使って解いたりしていても、理解が深まらない上に、新たなパターンの問題に出会うたびに「やり方を丸覚え」する必要が生じ、それは極めて非効率だと思います。
それよりも「速度」「時間」「距離」の関係に対する「本質的な意味」から理解出来ていれば、そもそも上記公式を覚える必要さえありませんし(例えば私なら仕事で日々「速度」を扱っていますが上記公式を頭に思い浮かべることなどまずありません)、また発展的な問題に初見で出会った時でも自力で考えることが出来るようになります。
と言うわけで、今回は最も基本的な部分に関して、その「本質的な意味」を解説したいと思います。
速さ(速度)の計算の本質的な意味
速度は時速20kmで、時間は5時間進むと、距離は100km進みます。それを線分図で図示すると下図の通りです。上段に距離の情報、下段に時間の情報を記しています。
速度が時速20kmという意味は「1時間で20km進む速さ」ということですから、図では、1目盛りは1時間で20kmとなっています。
その速度で時間は5時間進む訳ですから、すなわち1時間を5回繰り返しますので、全体では5目盛りとなっています。
すると全体の距離(5時間で進んだ距離)は、1目盛りで20kmを5回繰り返した訳ですから(5目盛り分)、
20km×5=100km
となっています。
「速度」と「時間」と「距離」の関係というのは、実はこれだけの内容に過ぎません。従って速度の問題に接した際に、このような「関係」を頭に思い浮かべるようになると、いわゆる「公式」を頭に思い浮かべることが無くなります。
そして「問題で何かを問われている」時というのは、上図のどこかが抜けていて「?」と問われていることになりますので、単にそれを埋めるだけの作業となります。
以下、それを説明致します。
※ ※ ※ ※ ※
例題:時速20kmで5時間進むと何km進みますか。
問われている部分を赤で?とすると下図の通りです。
直感で、
20km×5=100km …答え
と分かります。これが実は、
速度×時間=距離
という公式の正体となっています。
※ ※ ※ ※ ※
例題:5時間で100km進む自動車の速度は時速何kmですか。
問われている部分を赤で?とすると下図の通りです。
直感で、
100km÷5=20km なので、 答えは時速20km
と分かります。これが実は、
距離÷時間=速度
という公式の正体となっています。
※ ※ ※ ※ ※
例題:時速20kmで100km進むには何時間かかりますか。
問われている部分を赤で?とすると下図の通りです。
何時間かを問われているということは、「1時間で1目盛り」が何目盛りあるかを問われていることになりますので、
100km÷20km=5(目盛り) なので 答えは5時間
と分かります。これが実は、
距離÷速度=時間
という公式の正体となっています。
おわりに
以上、速さ(速度)の計算に関する最も基本的な部分について解説してみました。