算数(数学)の文章題(特殊算など)のことを書くページ

算数(数学)の文章題(特殊算など)の解き方の解説などを記しています

そこそこ難しい「流水算」の文章題を5つ集めて解いてみた

はじめに

質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、そこそこ難しい「流水算」の文章題を5つご紹介します。

自分で解いてみた解答も併せて記します。方程式を用いた中学数学での解き方となります。「流水算」や「方程式」そのものの基本はお分かりである前提での記述となっています(基本部分の解説はしておりません)のでご了承下さい。

※流水算の公式などの基本部分については、本ブログのコチラの別記事に記しています。

解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。

そこそこ難しい流水算(その1)

川の上流のA町と下流のB町を同じ船で往復するのに、上りは3時間、下りは2時間かかります、川の流れの速さを、毎時4Kmとし
次の問いに答えなさい。

(1)A町からB町までは何Kmですか。

(2)船の静水時の速さは、毎時何Kmですか。

子供(小五)の算数の問題です、質問されて困ってます、教えて下さい。1.川の上流... - Yahoo!知恵袋より引用

■私が考えた解答(解説)

応用問題としては初級編となります。以下、解答(解説)です。

A町からB町までの距離をx(km)、
船の静水時の速さを毎時y(km)とする。

A町からB町までの距離=上り速度×3時間 より、
x=(y-4)×3
右辺を計算すると、
x=3y-12 …①

A町からB町までの距離=下り速度×2時間 より、
x=(y+4)×2
右辺を計算すると、
x=2y+8 …②

①と②は同じxを表しているので、
3y-12=2y+8

移行すると、
y=20 …(2)の答え

yを①に代入すると、
x=60-12=48 …(1)の答え

問(1)の答え 48km
問(2)の答え 時速20km

そこそこ難しい流水算(その2)

川に沿って720km離れたA地点とB地点を結ぶ連絡船が運航しています。

川の流れの速さは時速24kmであり、上りの船の速さは下りの船の速さの3分の1です。

連絡船が往復するには何時間かかるでしょうか。ただし、川の流れがないときは上りも下りも船の速さは等しいとします。

SPIの流水算の問題で川に沿って720km離れたA地点とB地点を結ぶ連絡船... - Yahoo!知恵袋より引用

■私が考えた解答(解説)

こちらも応用問題としては初級編となります。以下、解答(解説)です。

静水時の船の速度を時速x(km)とすると、

上り速度は下り速度の3分の1なので、

上りの速度:下りの速度=1:3 より、
(x-24):(x+24)=1:3

外側どうし、内側どうしを掛けたものがイコールなので、
3(x-24)=1(x+24)

両辺を計算すると、
3x-72=x+24

移項して計算すると、
2x=96

両辺を2で割ると、
x=48

以上により、

上り速度=時速48km-時速24km=時速24km
上り時間=720km÷時速24km=30時間

下り速度=時速48km+時速24km=時速72km
下り時間=720km÷時速72km=10時間

往復時間=30時間+10時間=40時間 …答え

そこそこ難しい流水算(その3)

ある川を船で進むと、上流にあるA町から下流にあるB町まで20分かかり、B町からA町までは60分かかる。
別の船を使ったところ、A町からB町までは24分かかった 。この船でB町からA町まで何分かかるか。
2つの船の静水時の速度も、川の流速も一定であるとする。

流水算の問題を教えてください。ある川を船で進むと、上流にあるA町か... - Yahoo!知恵袋より引用

■私が考えた解答(解説) 

xやyという文字は使いますが、方程式ではなく「算数」っぽい内容となります(だから簡単、という訳ではない)。以下、解答(解説)です。

最初に書かれている船の場合、速度は所要時間の逆比より、

下り速度:上り速度=60:20=3:1

従って、
下り速度=3x …①
上り速度=x …②
とする。

流れの速度=(下り速度-上り速度)÷2 より

流れの速度=(3x-x)÷2=2x÷2=x …③

さて、最初に書かれている船と、後から書かれている「別の船」の、下りの速度の比は、所要時間の逆比より、

24:20=6:5

この「6」が①の3xなので、「5」をyとすると、
6:5=3x:y

外側どうし、内側どうしを掛けたものがイコールなので、
6y=15x

両辺を6で割ると、
y=2.5x

従って「別の船」の、船自身の速度は、この下りの速度2.5xから、流れの速度x(上記の③)を引き、
2.5x-x=1.5x

従って「別の船」の上りの速度は、この船自身の速度1.5xから、流れの速度x(上記の③)を引き、
1.5x-x=0.5x …④

最初に書かれている船の上りの速度は上記②のxで、「別の船」の上りの速度は上記④の0.5xなので、

x ÷ 0.5x = 2(倍)

より、速度と所要時間は逆比なので、最初に書かれている船の上りの所要時間は60分だから、「別の船」のそれは、

60分 × 2(倍) = 120分 …答え

そこそこ難しい流水算(その4)

ある川の上流A地点から下流B地点までは、1500mの長さがある。A地点からカヌーが一定の速さで下り始め、同時にB地点からは静水時で分速90mのボートが遡り始めたとき、カヌーとボートはAから900mの地点で出会った。この川の速さが時速3㎞のとき、カヌーの静水時の速さは分速何mか。ただしカヌーとボートの長さは考えないものとする。

流水算の問題です。教え下さい。 - ある川の上流A地点から下流B地点ま... - Yahoo!知恵袋より引用

■私が考えた解答(解説)

素直に方程式を使った解き方で記します。

カヌーの静水時の速度を分速x(m)、両者が出会うまでの時間をy(分)とする。

出会うまで、カヌーは900m進み、ボートは
1500m-900m=600m
進んでいる。

流れの速度である時速3kmの単位を直すと、
時速3km=時速3000m=分速50m

(カヌー分速+流れ分速)×時間=900m より
(x+50)×y=900 …①

(ボート分速-流れ分速)×時間=600m より
(90-50)×y=600

左辺を計算すると、
40y=600

両辺を40で割ると、
y=15 …②

②を①に代入すると、
(x+50)×15=900

左辺を計算すると、
15x+750=900

移項して計算すると、
15x=150

両辺を15で割ると、
x=10 …答え

答え 分速10m

そこそこ難しい流水算(その5)

川沿いの下流のA地点と上流のB地点の二点を往復する船がある。
川の流れがないときの船の早さは毎時12キロ、川の流れの早さは毎時3キロである。
八時にA地点を出発したが、上りに船のエンジンが故障して20分間ながされたにで、B地点まで往復してA地点に到着したのが12時であった。このとき次の問に答えよ。

①この二点距離を求めよ。
②折り返した時間を求めよ。

流水算の応用。教えてください。川沿いの下流のA地点と上流のB地... - Yahoo!知恵袋より引用

■私が考えた解答(解説)

最後は応用問題でよくある「故障するパターン」です。以下、解答(解説)です。

<単位の変換>
静水速度…時速12km=時速12000m=分速200m
川の流れ…時速3km=時速3000m=分速50m

行き(上り)にかかった時間をx(分)、二点間の距離をy(m)とする。

行き(上り)に関して、故障中に、
分速50m×20分=1000m
戻されているので、

行き(上り)で船が進んだ距離は、
y+1000

これを、x(分)から故障していた20分を差し引いた、
x-20
で進んだ訳なので、

距離=上り速度×時間 より、
y+1000=(200-50)×(x-20)

計算を進めると、
y+1000=150×(x-20)
y+1000=150x-3000
y=150x-4000 …【A】

往復時間は8時~12時の4時間、すなわち、
60分×4=240分

従って帰り(下り)の時間(分)は、
240-x

帰り(下り)はy(m)だけ進んだので、

距離=下り速度×時間 より、
y=(200+50)×(240-x)

計算を進めると、
y=250×(240-x)
y=60000-250x …【B】

【A】と【B】は同じyを表しているので、
150x-4000=60000-250x

移項して計算すると、
400x=64000

両辺を400で割ると、
x=160 …問②の答えの算出に使う

xを【B】に代入すると、
y=60000-40000=20000

以上、二点間の距離は、
y=20000m=20km …問①の答え

行きにかかった時間はx=160分
すなわち2時間40分なので、

折り返した時刻は、
8時+2時間40分=10時40分 …問②の答え

おわりに

以上、そこそこ難しい流水算の文章題を5つ集めて解いてみました。