そこそこ難しい「通過算」の文章題を5つ集めて解いてみた
はじめに
我が家の一人息子の自宅での勉強用に、質問サイトの過去ログから文章題を探していて見つけた、そこそこ難しい「通過算」の文章題を5つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。方程式を用いた中学数学での解き方となります。「通過算」や「方程式」そのものの基本はお分かりである前提での記述となっています(基本部分の解説はしておりません)のでご了承下さい。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
そこそこ難しい通過算(その1)
長さ112メートルの列車Aが鉄橋を通過するのに42秒かかりました。
また、長さ84メートルの列車Bが列車Aの2倍の速さで同じ鉄橋を通過するのに20秒かかった。
列車Aの速さは秒速何メートルか?
■私が考えた解答
列車Aの速さを秒速a(m)とする。
列車Bの速さは列車Aの2倍なので、秒速2a(m)。
鉄橋の長さをy(m)とする。
列車Aの速さ×42秒=鉄橋の長さ+列車Aの長さ より、
42a=y+112 …①
列車Bの速さ×20秒=鉄橋の長さ+列車Bの長さ より、
40a=y+84 …②
加減法で、式①-式② より、
2a=28
両辺を2で割ると、
a=14
答え 秒速14m
そこそこ難しい通過算(その2)
長さ210mのA列車が、橋を渡り始めてから渡り終わるまでに48秒かかりました。
また、長さ360mのB列車が、A列車の3分の2の速さで同じ橋を渡り始めてから渡り終わるまでに90秒かかりました。この橋の長さを求めなさい。
■私が考えた解答
A列車の速さを秒速3a(m)とする。
B列車の速さはA列車の3分の2なので、秒速2a(m)。
橋の長さをy(m)とする。
A列車の速さ×48秒=橋の長さ+A列車の長さ より、
144a=y+210 …①
B列車の速さ×90秒=橋の長さ+B列車の長さ より、
180a=y+360 …②
加減法で、式②-式① より、
36a=150
両辺を5倍すると、
180a=750 …③
②、③より(左辺が等しいので)、
y+360=750
従って、
y=390
答え 390m
そこそこ難しい通過算(その3)
長さの等しい列車AとBがある。BはAの1.5倍の速さで走り、AとBがすれ違うのに10秒かかる。また、列車Aは長さ950メートルの鉄橋を渡りはじめてから渡り終わるまでにちょうど1分かかる。列車Aの長さと秒速をそれぞれもとめよ。
■私が考えた解答
列車Aの長さをx(m)、速さを秒速y(m)とする。
列車Bの長さもAと等しいのでx(m)、
速さはAの1.5倍なので、秒速1.5y(m)となる。
AとBがすれ違うのに10秒かかるので、
Aの長さ+Bの長さ=(Aの速さ+Bの速さ)×10秒 より、
x+x=(y+1.5y)×10
両辺を計算すると、
2x=25y …①
また、
Aは950mの鉄橋を通過するのに1分すなわち60秒かかるので、
Aの速さ×60秒=鉄橋の長さ+Aの長さ より、
60y=950+x
すなわち、
x=60y-950 …②
②を①に代入すると、
2(60y-950)=25y
計算を進めると、
120y-1900=25y
95y=1900
y=20
yを②に代入すると、
x=1200-950=250
答え 長さは250m、速さは秒速20m
そこそこ難しい通過算(その4)
列車が一定の速度で走っている。550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまで30秒かかり、また、650mのトンネルに入り終わってから出始めるで20秒かかった。列車の長さを求めなさい。
■私が考えた解答
列車の長さをx(m)、速さを秒速y(m)とする。
列車の速さ×30秒=鉄橋の長さ+列車の長さ より、
30y=550+x …①
列車の速さ×20秒=トンネルの長さ-列車の長さ より、
20y=650-x …②
加減法で、式①+式② より、
50y=1200
両辺を50で割ると、
y=24
yを①に代入すると、
720=550+x
従って、
x=170
答え 170m
そこそこ難しい通過算(その5)
長さ80mの列車Aが、長さ120mの列車Bに追いついてから追い抜くまでに40秒かかる。同じ列車Bに、長さ150mの列車Cが追いついてから追い抜くまでに18秒かかる。列車Aと列車Cの速さの比が2:3であるとき、列車Bの速さは時速何kmか。
■私が考えた解答
列車Aの速さを、秒速2x(m)とする。
列車Aと列車Cの速さの比は2:3なので、
列車Cの速さは、秒速3x(m)となる。
また、列車Bの速さを、秒速y(m)とする。
(列車Aの速さ-列車Bの速さ)×40秒=列車Aの長さ+列車Bの長さ より、
(2x-y)×40=80+120
計算すると、
80x-40y=200
両辺を40で割ると、
2x-y=5 …①
(列車Cの速さ-列車Bの速さ)×18秒=列車Cの長さ+列車Bの長さ より、
(3x-y)×18=150+120
計算すると、
54x-18y=270
両辺を18で割ると、
3x-y=15 …②
加減法で、式②-式① より、
x=10
xを①に代入すると、
20-y=5
従って、
y=15
以上により、列車Bの速さは秒速15mと分かったので、
秒速15m=15×3600(秒)=時速54000m=時速54km
答え 時速54km
おわりに
以上、そこそこ難しい「通過算」の文章題を5つ集めて解いてみました。