「過不足算」の文章題を5つ集めて「連立方程式」で解いてみた
はじめに
「過不足算」と言うと主に中学受験を目指す「小学生」向けの算数(特殊算)の問題、というイメージが強いかも知れませんが、中学数学の「方程式」の題材としても、またその他の各種問題としても、普通に登場するといった印象です(特段に簡単、という訳でもない)。
という訳で、質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、「過不足算」に関する文章題を5つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。連立方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「連立方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
連立方程式で解いてみた過不足算(その1)
鉛筆を何人かの子供に分けます。一人に5本ずつ分けたら16本余ったので、一人分を7本にしたら8本足りなくなりました。鉛筆は全部で何本ありましたか?
■私が考えた解答(解説)
最も基本的な問題となります。
子供の人数をa人、鉛筆の本数をb本とします。
1人に5本ずつ配ると16本余るので、
鉛筆の本数=5本×人数+余り16本
なので、
b=5a+16 …①
また、1人に7本ずつ配ると8本不足するので、
鉛筆の本数=7本×人数-不足8本
なので、
b=7a-8 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①も②も同じ「b」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
5a+16=7a-8
移項して計算すると、
-2a=-24
両辺を-2で割ると、
a=12
aを①に代入すると、
b=5×12+16=60+16=76 …答え
答え 76本
連立方程式で解いてみた過不足算(その2)
ボートが何そうかあり、あるグループの人たちボートに乗ります。
このボート1そうに2人ずつ乗ったら、
38人乗れませんでし た。そこで、1そうに3人ずつ乗りなおしたら
ボートが、ちょうど35そう余りました。このときボートは何そうあった?
■私が考えた解答(解説)
2人ずつなら余るのが「人」、3人ずつなら余るのが「ボート」となっている(余るものが異なる)ケースとなります。
人数をa人、ボートの数をbそうとします。
2人ずつ乗ると、38人余るので、
人数=2人×ボートの数+余り38人
なので、
a=2b+38 …①
また、3人ずつ乗ると、ボートが「ちょうど35そう余る」ということは、
b-35 (そう)
のボートに3人ずつ乗ると、ちょうど乗り切れるので、
人数=3人×(b-35)
ということなので、
a=3(b-35) …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①も②も同じ「a」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
2b+38=3(b-35)
右辺を計算すると、
2b+38=3b-105
移項して計算すると、
-b=-143
従って、
b=143 …答え
ちなみにaも算出すると、bを①に代入し、
a=2×143+38=286+38=324 (人)
答え 143そう
連立方程式で解いてみた過不足算(その3)
何本かの鉛筆を配るのに、
はじめの10人は12本ずつ、
残りの人には11本ずつ配ると8本あまります。また、全員に13本ずつくばると34本不足します。
えんぴつはぜんぶで何本ありますか。
■私が考えた解答(解説)
全員に同じ本数を配らないケースとなっています。
人数をa人、鉛筆の本数をb本とします。
全部でa人の内、
10人には12本ずつ、
残りの、
a-10 (人)
には11本ずつ配ると、
8本余るので、
鉛筆の本数=12本×10+11本×(a-10)+余り8本
なので、
b=12×10+11×(a-10)+8 …①
また、全員に13本ずつ配ると34本不足するので、
鉛筆の本数=13本×a人-不足34本
なので、
b=13a-34 …②
①、②を連立方程式で解くと答えが得られます。
①の右辺を計算すると、
b=120+11a-110+8
b=11a+18 …①'
②、①'とも同じ「b」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
13a-34=11a+18
移項して計算すると、
2a=52
両辺を2で割ると、
a=26
aを①'に代入すると、
b=11×26+18=286+18=304 …答え
答え 304本
連立方程式で解いてみた過不足算(その4)
子供を長椅子にすわらせるのに、5人ずつすわると4人が座れなくなりました
そこで6人ずつすわることにしたら、誰も座らない長椅子が2脚残り、
1人だけすわる長椅子が1脚ありました
子供は何人ですか?
■私が考えた解答(解説)
端数が出るのでより複雑となる問題となります。
子供の人数をa人、椅子の数をb脚とします。
5人ずつ座ると4人が座れない(余る)ので、
人数=5人×椅子の数+余り4人
なので、
a=5b+4 …①
さて、6人ずつ座った場合、
椅子の総数から3脚を除いた、
b-3 (脚)
に6人ずつ座り、 …(ア)
除いた3脚に関しては、
・1脚は1人だけ座っている …(イ)
・2脚は誰も座っていない
以上により、人数は(ア)+(イ)なので、
人数=6人×(b-3)+1人×1
なので、
a=6(b-3)+1×1 …②
①、②を連立方程式で解くと答えが得られます。
②の右辺を計算すると、
a=6b-18+1
a=6b-17 …②'
①、②'は同じ「a」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
5b+4=6b-17
移項して計算すると、
-b=-21
従って、
b=21
bを①に代入すると、
a=5×21+4=105+4=109 …答え
答え 109人
連立方程式で解いてみた過不足算(その5)
太郎と花子が紙を持ってる。
太郎が1組の生徒全員に1人7枚
配ろうとしたら12枚足りません。そこで花子から82枚もらって1人10枚ずつ
配ったら7枚余ってしまいました。問1 1組の生徒全員は何人?
問2 太郎が初めに持っていた折り紙は何枚?
■私が考えた解答(解説)
最後は少し変わった問題です(ただし難易度は高くない)。
生徒の人数をa人、太郎が初めに持っていた枚数をb枚とします。
最初に1人7枚ずつ配ろうと思うと12枚不足したので、
初めの枚数=7枚×人数-不足12枚
なので、
b=7a-12 …①
82枚を追加して、1人10枚ずつ配ると7枚余ったので、
初めの枚数+82枚=10枚×人数+余り7枚
なので、
b+82=10a+7 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
②の左辺のbに、①を代入すると、
7a-12+82=10a+7
左辺を計算すると、
7a+70=10a+7
移項して計算すると、
-3a=-63
両辺を-3で割ると、
a=21 …問1の答え
aを①に代入すると、
b=7×21-12=147-12=135 …問2の答え
問1の答え 21人
問2の答え 135人
おわりに
「過不足算」の文章題について連立方程式での解き方を記しました。
「整数」の文章題を3つ集めて詳しく解説しながら「連立方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、「整数」に関する文章題を3つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。連立方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「連立方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
最初に基本事項(式の立て方)の解説
今回取り上げるような文章題を解く際の基本事項を最初に述べます。
例えば
53 (ごじゅうさん)
という数は、
5×10+3
と表すことが出来ます。
従って十の位がa、一の位がbの、
ab (えーじゅうびー)
という数は、
a×10+b
すなわち、
10a+b
という風に表すことが出来ます。
「十の位の数と一の位の数を求めなさい」というような問題の場合、上のようにa、bと未知数を設定することにより式の立て方を考えます。
※ ※ ※ ※ ※
桁数が増えても同様で、例えば、
xyz (えっくすひゃくわいじゅうぜっと)
なら、
100x+10y+z
となります。
実際の問題(中学数学の連立方程式の範囲)では未知数は2つまでなので、例えば「十の位の数と一の位の数は同じ」などの条件が付いており、
100x+10y+y
というような「未知数が2つの式」で考えることになります。
基本事項の解説は以上です。では、実際の問題を解いていきます。
連立方程式で解いてみた「整数」の文章題(その1)
2けたの整数があって十の位の数は一の位の数よりも2だけ小さい。この整数を2倍した数からもとの整数の一の位の数と十の位の数を入れかえた数をひいたところ17になったという。もとの2けたの整数を求めなさい。
■私が考えた解答(解説)
元の2桁の整数の、十の位の数をa、一の位の数をbとします。
すると元の2桁の整数は、
10a+b …(ア)
と表すことが出来て、
「一の位の数と十の位の数を入れ替えた数」は、
10b+a …(イ)
と表すことが出来て、
(ア)を2倍したものから(イ)を引くと17なので、
(10a+b)×2-(10b+a)=17 …①
また、十の位の数は一の位の数よりも2だけ小さいので、
b-a=2 …②
この①、②を連立方程式として解くと答えが得られます(実際の問題の解答ではこの①、②式から書き始めれば十分と思います。2問目以降も同様)。
①の左辺を計算すると、
20a+2b-10b-a=17
19a-8b=17 …①'
②の両辺を8倍して左辺を並べ替えると、
-8a+8b=16 …②'
加減法で、式①'+式②' より、
11a=33
両辺を11で割ると、
a=3
aを②に代入すると、
b-3=2
移項して計算すると、
b=5
以上により答え(元の2桁の整数)は、
10a+b=10×3+5=35
答え 35
連立方程式で解いてみた「整数」の文章題(その2)
2けたの正の整数がある。
この整数は10の位の数と1の位の数の和の4倍である。
またこの整数の10の位の数と1の位の数をいれかえてできる数はもとの整数の2倍より9小さい。
もとの整数を求めなさい。
■私が考えた解答(解説)
元の2桁の整数の、十の位の数をa、一の位の数をbとします。
すると元の2桁の整数は、
10a+b …(ア)
と表すことが出来て、
この(ア)は「十の位の数aと一の位の数bの和の4倍」なので、
10a+b=(a+b)×4 …①
また、十の位の数と一の位の数を入れ替えた整数は、
10b+a …(イ)
と表すことが出来て、
(イ)は(ア)の2倍より9小さいので、
10b+a=(10a+b)×2-9 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①の右辺を計算すると、
10a+b=4a+4b
移項して計算すると、
6a-3b=0 …①'
②の右辺を計算すると、
10b+a=20a+2b-9
移項して計算すると、
-19a+8b=-9 …②'
①'の両辺を3で割ると、
2a-b=0 …※
両辺に8を掛けると、
16a-8b=0 …①''
加減法で、式②'+式①'' より、
-3a=-9
両辺を-3で割ると、
a=3
aを※式に代入すると、
6-b=0
従って、
b=6
以上により答え(元の2桁の整数)は、
10a+b=10×3+6=36
答え 36
連立方程式で解いてみた「整数」の文章題(その3)
3けたの正の整数がある。
この整数の十の位の数は5で
各位の数の和は、百の位の数の7倍である。
また、百の位の数と一の位の数を入れ替えた数は、
もとの数より495大きいという。
もとの数を求めなさい。
■私が考えた解答(解説)
百の位の数をa、一の位の数をbとします。
(十の位の数は5と分かっています)。
各位の数の和は、百の位の数aの7倍なので、
a+5+b=7a …①
また、
元の3桁の整数は、
a×100+5×10+b
すなわち、
100a+50+b …(ア)
と表すことが出来て、
百の位の数と一の位の数を入れ替えた整数は、
上記と同様に、
100b+50+a …(イ)
と表すことが出来て、
(イ)は(ア)よりも495大きいので、
100b+50+a-(100a+50+b)=495 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①について、移項して計算すると、
b=6a-5 …①'
②の計算を進めると、
100b+50+a-100a-50-b=495
-99a+99b=495
両辺を99で割ると、
-a+b=5
bに①'を代入すると、
-a+6a-5=5
移項して計算すると、
5a=10
両辺を5で割ると、
a=2
aを①'に代入すると、
b=12-5=7
以上により、答え(元の整数)は、
100a+50+b=100×2+50+7=257
答え 257
おわりに
「整数」の文章題を詳しく解説しながら連立方程式で解いてみました。
「割引価格」から「元の価格(定価)」を簡単に算出する考え方の解説
はじめに
日常生活での買い物などや、もしくは算数や数学などの問題に接した際に、
例えば「定価2500円の3割引の価格はいくらか」と聞かれた場合は、
割引額が、
2500円×0.3=750円
なので、
割引後の価格は、
2500円-750円=1750円 …答え
と算出するか、もしくは、
2500円×(1-0.3)=2500円×0.7=1750円 …答え
と簡単に計算出来る方が多いと思いますが、
逆に、
「3割引の価格が1750円の場合、元の価格(定価)はいくらか?」
となった途端に「?」となってしまう方は非常に多いと思います。
小学校では公式を用いての計算方法を習う訳ですが、「意味も分からず公式で丸覚え」したって中学生になったり大人になったりしたら忘れてしまいますし、それからまた丸覚えして、また忘れてを繰り返すのは非常に非効率である訳です。
と言う訳で、ここでは丸覚えではない、「きちんと意味を理解して考える方法」を記したいと思います。一度しっかり理解すれば「忘れようがないほど簡単な内容」であると思います。
「割引価格」から「元の価格(定価)」を算出する考え方
■元の価格(定価)と割引価格の「比率」を考える
上の例題「3割引の価格が1750円の場合、元の価格(定価)はいくらか?」を使って説明を進めます。
考える内容を「見える化」する為に線分図を使用します。慣れたら線分図は「全く不要」と言えるほど簡単な内容となります。
元の価格(定価)は10割です。
これを以下の長さで表します。
├─────────┤10割(?円)
3割引と言うのは、すなわち
全体の7割が残っていますので、
├──────┤7割(1750円)
例えば1割が「1cmの長さ」なら、上段は10cmで下段は7cmとなっています(本来は長さの単位は不要ですが、イメージしやすいようにcmを付けています)。
極めて当たり前の話として、
ですから、下段の長さが1750円なのであれば、上段の金額は、
と簡単に分かります。
■分数を使わない方法
上で述べた内容と「考え方としてはほとんど同じ」と言えなくも無いのですが、計算過程において分数を使わない方法(考え方)は以下の通りです。
上記の線分図に、「1割=1目盛り」の目盛りを入れると以下の通りです。
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤10割(?円)
├┼┼┼┼┼┼┤7割(1750円)
下段を見ると、
1目盛り=1750円÷7=250円
とすぐに分かりますので、
上段はそれが10目盛り分ですから、
250円×10=2500円…答え
と簡単に分かります。
百分率(パーセント)の場合も例示しておきます
上の説明の例題は3「割」引きでしたが、百分率(パーセント)で表現されている場合も考え方は全く同じですが、念のため例示しておきます。
例題は質問サイトの過去ログより引用したいと思います。
■例題
定価x円の品物を定価の15%引きで買ったとき、1275円支払いました。
定価を求めなさい。
■解答(解説)
定価(全体)が100%なので、
15%引きの価格というのは定価(全体の)、
100%-15%=85%
です。
線分図を書くと、
├─────────┤100%(?円)
├───────┤85%(1275円)
ですから、
としても答えは出ますし、
線分図に「1%が1目盛り」の細かい目盛りが入っていると考えると(上段が100目盛りで下段が85目盛り)、
下段により、
1目盛り=1275円÷85(目盛り)=15円
と分かりますので、
上段の価格(定価)は、
15円×100(目盛り)=1500円 …答え
と分かります。
おわりに
「割引価格」から「元の価格(定価)」を簡単に算出する考え方を解説してみました。
易しめの「旅人算」の文章題を5つ集めて「一次方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、易しめの「旅人算」(出会い算・追いつき算)の文章題を5つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。一次方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「一次方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
一次方程式で解いてみた旅人算(その1)
A地点からB地点まで4800mある。
兄はA地点から分速200mでD地点に向かい出発した。
その5分後、弟はB地点から分速180mでA地点に向かった。
兄が弟に出会うのは、A地点から何mの場所か。
注)そのまま引用していますが、2行目の「D地点」は正しくは「B地点」です。
■私が考えた解答(解説)
今回の問題はA地点からの「距離」を求める問題ですが、出会うまでの「時間」を求めるように方程式を立てたほうが、方程式の中に分数が生じないのでラクに解けるので、そのように解くものとします。
兄が出発してから2人が出会うまでの時間をx分とします。
弟は5分遅れで出発しているので、弟が進んだ時間は、
x-5 (分)
兄が進んだ距離は、
分速200m×時間
なので、
200x …①
弟が進んだ距離は、
分速180m×時間
なので、
180(x-5) …②
①+②=全長4800m
なので、
200x+180(x-5)=4800 …※
という一次方程式を立てることが出来て、これを解けば答えが得られます。
注)通常は解答を書く際はこの※式から始めれば十分かと思います。2問目以降は特に断りは入れませんが、基本的には※式を立てるところから書き始めれば十分と思います。
以下、解き進めます。
左辺のカッコを外すと、
200x+180x-900=4800
移項して計算すると、
380x=5700
両辺を380で割ると、
x=15 …解
以上、兄が出発して15分で出会ったと分かったので、兄が進んだ距離は、
分速200m×15分=3000m
で、これがA地点から出会った場所までの距離に他ならないので、
答え 3000m
一次方程式で解いてみた旅人算(その2)
a君が分速70mでア地点を出発した。
a君が出発してから10分後、b君が分速120mでア地点を出発しa君を追いかける。b君がa君に追いつくのはb君が出発し
てから何分後か。
■私が考えた解答(解説)
b君が出発してから追いつくまでの時間をx分とします。
a君は10分先に出ているので、a君が進んだ時間は、
x+10 (分)
b君が進んだ距離は、
分速120m×時間
なので、
120x …①
a君が進んだ距離は、
分速70m×時間
なので、
70(x+10) …②
2人とも同じ距離(ア地点~追いつかれた位置)を進んでいるので、
①=②
なので、
120x=70(x+10) …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
右辺を計算すると、
120x=70x+700
移項して計算すると、
50x=700
両辺を50で割ると、
x=14 …答え
答え 14分後
一次方程式で解いてみた旅人算(その3)
A君は毎分65mで、B君は毎分70mで歩きます。A君は家から駅に、B君は駅から家に向かって歩き始めたところ、家と駅のまん中から家の方へ60m近い所で出会いました。家と駅の距離は何m?
■私が考えた解答(解説)
1問目と同様に、問われている「距離」を直接求める方程式を立てると分数が生じて面倒なので、出会うまでの「時間」を求める式を立ててそれを求めてから、後で答え(距離)を算出します。
2人が出発してから出会うまでの時間をx(分)とします。
A君が進んだ距離は、
分速65m×時間
なので、
65x …①
B君が進んだ距離は、
分速70m×時間
なので、
70x …②
また、
A君の進んだ距離=家から駅の半分-60m
B君の進んだ距離=家から駅の半分+60m
なので、B君のほうがA君よりも
60m×2 …③
多く進んでいるので、
すなわち、
②-①=③
なので、
70x-65x=60×2 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
両辺を計算すると、
5x=120
両辺を5で割ると、
x=24 …解
以上、出発から24分で出会っていると分かり、
2人が進んだ距離の合計が答え(家から駅の距離)なので、
分速65m×24分+分速70m×24分
=1560m+1680m
=3240m …答え
一次方程式で解いてみた旅人算(その4)
ある池の周りをA,B,Cの3人が、同じ地点から同じ方向に、Aは徒歩で、Bは走って、Cは自転車に乗ってまわり始めた。
Cは5分後にAに追いつき、それから4分後にBに追いついた。
Aの速さは毎分70m、Bの速さは毎分150mであった。
Cの速さは毎分何mか。
■私が考えた解答(解説)
円周状のある地点から速い人と遅い人が同時に同方向に出発して、その後に速い人が遅い人に追いつくまでには、速い人は遅い人に一周差をつけて追いついた訳ですから、
速い人の進んだ距離-遅い人の進んだ距離=1周の距離
となっています。
以上を踏まえ、Cの速さを分速v(m)とすると、
出発から5分でCはAに追いついていますので、
Cが進んだ距離-Aが進んだ距離=1周の距離
すなわち、
分速v(m)×5分-分速70m×5分=1周の距離
なので、
v×5-70×5=1周の距離 …①
また、出発から、
5分+4分=9分後
に、CはBに追いついていますので、
Cが進んだ距離-Bが進んだ距離=1周の距離
すなわち、
分速v(m)×9分-分速150m×9分=1周の距離
なので、
v×9-150×9=1周の距離 …②
さて、①も②も同じ「1周の距離」を表しており、
すなわち①=②なので、
v×5-70×5=v×9-150×9 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
両辺を計算すると、
5v-350=9v-1350
移項して計算すると、
-4v=-1000
両辺を-4で割ると、
v=250 …答え
答え 分速250m
一次方程式で解いてみた旅人算(その5)
分速100mのAさんと分速80mのBさんは左回りに、Cさんは分速90mで右回りで同じ地点から同時に出発しました。AさんとCさんが出会って2分後にBさんとCさんが出会いました。
この池の周りの長さは何mですか?
■私が考えた解答(解説)
先に述べた1問目と3問目は「距離を求める問題だが、時間を求める方程式を立てる」という方針で解きましたが、今回の問題は直接的に距離を求めてみます。
さて、円周状のところを2人が同じ地点から同時に、反対向きに出発してから出会うまでには、「2人合わせて1周の距離」を進んでいます。すなわち、「1周の距離の直線の左端と右端から同時に向き合って出発してから出会うまで」を考えることと同じとなっています。
すなわち、池の周りの長さをx(m)とすると、
分速100mのAさんと分速90mのCさんが出会うまでには、2人合わせて1分あたり、
毎分100m+毎分90m
のペースで近づく訳ですから、出会うまでの所要時間(分)は、
x÷(100+90) …①
と表すことが出来ます。
同様に、分速80mのBさんと分速90mのCさんが出会うまでの所要時間(分)は、
x÷(80+90) …②
と表すことが出来て、①より②のほうが2分長い訳ですから、
x÷(100+90)=x÷(80+90)-2 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
カッコ内を先に計算すると、
x÷190=x÷170-2
両辺に190×170を掛けると、
170x=190x-64600
移項して計算すると、
-20x=-64600
両辺を-20で割ると、
x=3230 …答え
答え 3230m
※ちなみに、最初に時間を求める式を立てる方針の場合、細かい解説は省略しますが、AさんとCさんが出会うまでの時間をm(分)とすると、以下のような解き方となります。
(100+90)m=(80+90)(m+2)
という式を立て、
カッコ内を計算すると、
190m=170(m+2)
右辺を計算すると、
190m=170m+340
移項して計算すると、
20m=340
両辺を20で割ると、
m=17 (分)
従って1周の距離は、
(100+90)×17=3230m …答え
おわりに
以上、易しめの「旅人算」について「一次方程式」による解き方を記してみました。
「平均算」の文章題を5つ集めて「一次方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、「平均算」の文章題を5つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。一次方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「一次方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
一次方程式で解いてみた平均算(その1)
Aさんのテストの今までの平均点は79点ですが、次のテストで97点取れば平均点が82点になります。
今までのテストの回数は何回ですか。
■私が考えた解答(解説)
今までのテストの回数をa回とします。
今までのテストの総得点は、
平均点79点 × a回
なので、
79a (点)
と表すことが出来ます。
これに「次のテスト」で97点を加えると、
・テストの総回数… a+1 (回) …①
・総得点… 79a+97 (点) …②
となり、この時の平均点が82点(③)ですから、
総得点② = 平均点③ × 回数①
という関係より、
79a+97=82×(a+1) …※
という一次方程式を立てることが出来て、これを解けば答えが得られます。
注)通常は解答を書く際はこの※式から始めれば十分かと思います。2問目以降は特に断りは入れませんが、基本的には※式を立てるところから書き始めれば十分と思います。
以下、解き進めます。
右辺を計算すると、
79a+97=82a+82
移項して計算すると、
-3a=-15
両辺を-3で割ると、
a=5 …答え
答え 5回
一次方程式で解いてみた平均算(その2)
40人のクラスで算数のテストをしたところ、全体の平均点は56点で、上位10人の平均点と残り30人の平均点は24点の差がありました。
残り30人の平均点は□です。
■私が考えた解答(解説)
残り30人の平均点をa点とします。
上位10人の平均点は、それより24点高いので、
a+24 (点)
従って全40人の総得点は、
残り平均×人数+上位平均×人数
なので、
a×30+(a+24)×10
で、これが「全体平均56点×全40人」(総得点)と等しい訳ですから、
a×30+(a+24)×10=56×40 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
両辺を計算すると、
30a+10a+240=2240
移項して計算すると、
40a=2000
両辺を40で割ると、
a=50 …答え
答え 50点
一次方程式で解いてみた平均算(その3)
5つの教科の平均点を調べたら、社会は70点・理科は57点・体育は85点で
国語は5科目の平均より2.4低く、算数は国語より7点高かったそうです。
この場合算数の点数は何点ですか。
■私が考えた解答(解説)
5教科の平均点をa点とします。
国語の点数は平均点よりも2.4点低いので、
a-2.4 (点)
算数の点数は国語より7点高いので、
a-2.4+7 (点)
と表すことが出来ます。
5教科の合計点数=平均点×5(教科)
なので、
70+57+85+a-2.4+a-2.4+7=a×5 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
両辺を計算すると、
2a+214.2=5a
移項して計算すると、
-3a=-214.2
両辺を-3で割ると、
a=71.4 …方程式の解
従って算数の点数は、aに上記の解を代入し、
a-2.4+7=71.4-2.4+7=76点 …答え
答え 76点
一次方程式で解いてみた平均算(その4)
A,B,C,Dの4人がテストを行った。BはAの点数より5点高く、CとDの平均点はAとBの平均点より3点高かった。
4人の平均点が70点の時、Aの点数を求めよ
【500枚】平均算の問題! - A,B,C,Dの4人がテストを行った。BはAの点数より5点高... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
Aの点数をa点(①)とします。
Bの点数は、Aより5点高いので、
a+5 (点) …②
AとBの平均点は、「2人の合計点÷2」なので、
(a+a+5)÷2
CとDの平均点はこれより3点高いので、
(a+a+5)÷2+3
CとDの合計点は、上記の平均点×2人分なので、
{ (a+a+5)÷2+3 } × 2 …③
4人の合計点(①+②+③)=平均点70点×4人分なので、
a+a+5+{ (a+a+5)÷2+3 } × 2 = 70×4 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
両辺の計算を進めると、
2a+5+{ (2a+5)÷2+3 } × 2 = 280
2a+5+{ a+2.5+3 } × 2 = 280
2a+5+2a+5+6=280
移項して計算すると、
4a=264
両辺を4で割ると、
a=66 …答え
答え 66点
一次方程式で解いてみた平均算(その5)
A、B、C、Dの4つのおもりがあり、
AはCより20kg重く、Dより5kgかるくなっています。
ABの重さの平均は45kgで、
4つのおもりの重さは155kgです。
Bの重さは何kgですか?
■私が考えた解答(解説)
※155kgは4つのおもりの「合計」重さと解釈して以下を記しています。
Bの重さをb(kg)とします。 …①
AとBの合計は、「平均45kg×2」
なので、
Aの重さは上記からBの重さを差し引いて、
45×2-b (kg) …②
Aの重さ(②)はCより20kg重いので、
すなわちCはA(②)より20kg軽いので、
Cの重さは、②から20kgを差し引いて、
45×2-b-20 (kg) …③
Aの重さ(②)はDより5kg軽いので、
すなわちDはA(②)より5kg重いので、
Dの重さは、②に5kgを加えて、
45×2-b+5 (kg) …④
4つの重さ(①~④)を合計すると155kgなので、
b+45×2-b+45×2-b-20+45×2-b+5=155 …※
という一次方程式を立てることが出来て、この※式を解けば答えが得られます。
左辺を計算すると、
b+90-b+90-b-20+90-b+5=155
-2b+255=155
移項して計算すると、
-2b=-100
両辺を-2で割ると、
b=50 …答え
答え 50kg
おわりに
以上、「平均算」の文章題に関する「一次方程式」の解き方を解説しました。