「過不足算」の文章題を5つ集めて「連立方程式」で解いてみた
はじめに
「過不足算」と言うと主に中学受験を目指す「小学生」向けの算数(特殊算)の問題、というイメージが強いかも知れませんが、中学数学の「方程式」の題材としても、またその他の各種問題としても、普通に登場するといった印象です(特段に簡単、という訳でもない)。
という訳で、質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、「過不足算」に関する文章題を5つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。連立方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「連立方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
連立方程式で解いてみた過不足算(その1)
鉛筆を何人かの子供に分けます。一人に5本ずつ分けたら16本余ったので、一人分を7本にしたら8本足りなくなりました。鉛筆は全部で何本ありましたか?
■私が考えた解答(解説)
最も基本的な問題となります。
子供の人数をa人、鉛筆の本数をb本とします。
1人に5本ずつ配ると16本余るので、
鉛筆の本数=5本×人数+余り16本
なので、
b=5a+16 …①
また、1人に7本ずつ配ると8本不足するので、
鉛筆の本数=7本×人数-不足8本
なので、
b=7a-8 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①も②も同じ「b」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
5a+16=7a-8
移項して計算すると、
-2a=-24
両辺を-2で割ると、
a=12
aを①に代入すると、
b=5×12+16=60+16=76 …答え
答え 76本
連立方程式で解いてみた過不足算(その2)
ボートが何そうかあり、あるグループの人たちボートに乗ります。
このボート1そうに2人ずつ乗ったら、
38人乗れませんでし た。そこで、1そうに3人ずつ乗りなおしたら
ボートが、ちょうど35そう余りました。このときボートは何そうあった?
■私が考えた解答(解説)
2人ずつなら余るのが「人」、3人ずつなら余るのが「ボート」となっている(余るものが異なる)ケースとなります。
人数をa人、ボートの数をbそうとします。
2人ずつ乗ると、38人余るので、
人数=2人×ボートの数+余り38人
なので、
a=2b+38 …①
また、3人ずつ乗ると、ボートが「ちょうど35そう余る」ということは、
b-35 (そう)
のボートに3人ずつ乗ると、ちょうど乗り切れるので、
人数=3人×(b-35)
ということなので、
a=3(b-35) …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
①も②も同じ「a」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
2b+38=3(b-35)
右辺を計算すると、
2b+38=3b-105
移項して計算すると、
-b=-143
従って、
b=143 …答え
ちなみにaも算出すると、bを①に代入し、
a=2×143+38=286+38=324 (人)
答え 143そう
連立方程式で解いてみた過不足算(その3)
何本かの鉛筆を配るのに、
はじめの10人は12本ずつ、
残りの人には11本ずつ配ると8本あまります。また、全員に13本ずつくばると34本不足します。
えんぴつはぜんぶで何本ありますか。
■私が考えた解答(解説)
全員に同じ本数を配らないケースとなっています。
人数をa人、鉛筆の本数をb本とします。
全部でa人の内、
10人には12本ずつ、
残りの、
a-10 (人)
には11本ずつ配ると、
8本余るので、
鉛筆の本数=12本×10+11本×(a-10)+余り8本
なので、
b=12×10+11×(a-10)+8 …①
また、全員に13本ずつ配ると34本不足するので、
鉛筆の本数=13本×a人-不足34本
なので、
b=13a-34 …②
①、②を連立方程式で解くと答えが得られます。
①の右辺を計算すると、
b=120+11a-110+8
b=11a+18 …①'
②、①'とも同じ「b」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
13a-34=11a+18
移項して計算すると、
2a=52
両辺を2で割ると、
a=26
aを①'に代入すると、
b=11×26+18=286+18=304 …答え
答え 304本
連立方程式で解いてみた過不足算(その4)
子供を長椅子にすわらせるのに、5人ずつすわると4人が座れなくなりました
そこで6人ずつすわることにしたら、誰も座らない長椅子が2脚残り、
1人だけすわる長椅子が1脚ありました
子供は何人ですか?
■私が考えた解答(解説)
端数が出るのでより複雑となる問題となります。
子供の人数をa人、椅子の数をb脚とします。
5人ずつ座ると4人が座れない(余る)ので、
人数=5人×椅子の数+余り4人
なので、
a=5b+4 …①
さて、6人ずつ座った場合、
椅子の総数から3脚を除いた、
b-3 (脚)
に6人ずつ座り、 …(ア)
除いた3脚に関しては、
・1脚は1人だけ座っている …(イ)
・2脚は誰も座っていない
以上により、人数は(ア)+(イ)なので、
人数=6人×(b-3)+1人×1
なので、
a=6(b-3)+1×1 …②
①、②を連立方程式で解くと答えが得られます。
②の右辺を計算すると、
a=6b-18+1
a=6b-17 …②'
①、②'は同じ「a」を表しており、すなわち右辺どうしは等しいので、
5b+4=6b-17
移項して計算すると、
-b=-21
従って、
b=21
bを①に代入すると、
a=5×21+4=105+4=109 …答え
答え 109人
連立方程式で解いてみた過不足算(その5)
太郎と花子が紙を持ってる。
太郎が1組の生徒全員に1人7枚
配ろうとしたら12枚足りません。そこで花子から82枚もらって1人10枚ずつ
配ったら7枚余ってしまいました。問1 1組の生徒全員は何人?
問2 太郎が初めに持っていた折り紙は何枚?
■私が考えた解答(解説)
最後は少し変わった問題です(ただし難易度は高くない)。
生徒の人数をa人、太郎が初めに持っていた枚数をb枚とします。
最初に1人7枚ずつ配ろうと思うと12枚不足したので、
初めの枚数=7枚×人数-不足12枚
なので、
b=7a-12 …①
82枚を追加して、1人10枚ずつ配ると7枚余ったので、
初めの枚数+82枚=10枚×人数+余り7枚
なので、
b+82=10a+7 …②
①、②を連立方程式として解くと答えが得られます。
②の左辺のbに、①を代入すると、
7a-12+82=10a+7
左辺を計算すると、
7a+70=10a+7
移項して計算すると、
-3a=-63
両辺を-3で割ると、
a=21 …問1の答え
aを①に代入すると、
b=7×21-12=147-12=135 …問2の答え
問1の答え 21人
問2の答え 135人
おわりに
「過不足算」の文章題について連立方程式での解き方を記しました。