燃費計算「満タン法」を詳しく解説します。
おことわり
当ブログは「算数」に関するブログですが、本記事に関しては、もちろん「計算」に関わることですから「算数」も関係しておりますが、主旨としては「現実社会(実生活)におけるクルマの燃費」に関する話題となります。
はじめに
クルマの燃費というのは、カタログに載っている値よりも、実際の燃費のほうが圧倒的に悪いということが少なくありません。
「じゃあ、実際の燃費はどうなのか?」と知りたい場合は、自分で計算するしかありません。
先に、燃費を算出する算式だけ書いておくと、
燃費(km/L)=走行距離(km)÷ガソリン使用量(L)
で計算出来ます。が、これを計算する為には「走行距離(km)」と「ガソリン使用量(L)」を自分で把握する必要がありまして、それを簡単に把握する方法が「満タン法」となります。
ここでは、その「満タン法」のやり方や留意点について、計算の「意味」なども踏まえながら解説したいと思います。
なお、ここでは燃料のことを「ガソリン」と表現していますが、ガソリンではなく軽油の車種もありますので、入れ間違いにはご注意ください。
実車で見る部分の説明
私の愛車の写真(下図)で説明します。
説明と言っても、見る必要があるのは右のほうに示している「トリップメーター」のみです。左のほうにある「燃料計」は、実際の燃費計算においては特に細かく見る必要はありませんが、以下の解説において計算の「意味」を説明する為に用いています。
「満タン法」の手順などの解説
STEP1.ガソリンを満タンにしてトリップメーターをリセットする
とりあえずガソリンを満タンにして、同時にトリップメーターを「0.0km」にリセットします(下図)。
トリップメーターのリセットの仕方ですが、トリップメーターの近くにボタンがあると思いますので、それを押すと「0.0km」にリセットされます(私が知らない車種で違う方法のクルマもあるかも知れません)。
留意点) リセットする前の表記が何kmであったかとか、この時に給油した量が何Lであったかは計算には無関係ですから、記録する必要はありません。
STEP2.普通に走る
普通に走ります。するとトリップメーター(下図の「走行距離」)が0.0kmからどんどん増えていき、比例的に燃料計の針が下がっていきます(ガソリン使用量が増えていきます)。
すなわち、例えば上図の状態なら、「走行距離502.5km」を走る為に消費したガソリンの量が「ガソリン使用量」の部分(燃料計の4分の3)だが、そのガソリン使用量が何Lなのかはまだ分からない、という段階となっています。
STEP3.満タン給油して、「燃費計算」すれば完了
ここで「満タン」で給油すれば、上図の燃料計の「ガソリン使用量」の範囲だけ針を戻すことが出来ます。そしてガソリンのレシートを見て、給油量が「40.2L」だったとすると、
上図の通り、「502.5km走るのに、40.2L必要だった」と分かる訳です。
従って燃費(1Lあたりで何km走るか)の計算は、
燃費=502.5km÷40.2L=12.5km/L
と計算が出来ることになります。
留意点) この後に走り出す前に、トリップメーターを「0.0km」にリセットすれば、次回も同様に燃費計算が行えます。すなわち、「満タン給油して、走り出す前にトリップメーターをリセット」している限り、繰り返し繰り返し「満タン法」の燃費計算が行えることになります。
更に留意点(STEP2の留意点)
・今回の例では「燃料計の4分の3」のガソリンを使用したケースですが、この使用量がもっと多くても少なくても基本的には構いません(計算内容の本質には関係しない)。ただし「気候や渋滞などの諸要因による影響を平均的にする」という意味では、基本的には「多いほうが良い」ことになります。
・燃費は「走り方」で大きく影響します。例えば高速道路だと良い値が出たり、渋滞や信号が多い一般道路だと悪い値が出たり、と大きくバラつきます。従って自分が「平均的な値」を知りたい場合は、例えば「高速道路が多かった」というような「偏り」が出来るだけ無いような「平均的な走り方」をした時に計算する必要がありますし、逆に「高速道路ではどの程度の燃費なのか知りたい」という時であれば、高速道路だけ走り終わったらすぐに満タン給油して計算するなどの工夫が必要になります。
おわりに
以上、燃費計算の「満タン法」に関して詳しく解説しました。
当ブログは「算数」のブログですが、今回の記事は「現実社会の実際のクルマの話題」でしたが、計算内容自体は算数の「単位当たりの大きさ」と全く同じである訳ですから、その「本質的な意味」がイメージしやすいような解説を心がけた次第です。