方程式の文章題を、方程式を使わず「算数」で簡単に解いてみた
はじめに
中学生のテスト問題等で出題されるレベルの「方程式の文章題」について、方程式を使わずに「算数」で簡単に解いてみました。
質問サイトの過去ページから色んなパターンの問題を5問集めて解いています。解答は解説付きで記しています。
解説付きなので解答は長めですが、計算自体は簡単なレベルの問題としています。
問題その1
ある中学校で昨年度の新入生は男女合わせて140人でしたが、今年度は昨年度に比べて男子が10%減り女子が5%増えたので男女あわせて5人減った。今年度の男子・女子の新入生の人数をそれぞれ求めなさい。
解答
鶴亀算で解いてみたいと思います。
仮に昨年度の140人が全て男子であり、女子はゼロと仮定すると、
今年に増減する人数は、
・男子…140人×10%=140人×0.1=14人減少
・女子…0人×5%=0人×0.05=0人増加
・合計…上記の差し引きで14人減少 …①
上記の仮定より、140人の内20人ずつ男子→女子と仮定を変更すると、
男子の減少数は
20人×0.1=2人
少なくなり、
女子の増加数は
20人×0.05=1人
多くなるので、
①の減少数は
2人+1人=3人 …②
少なくなります。
従って最初の仮定より「140人の内20人ずつ男子→女子」を3回繰り返せば、
①の「14人減少」は、
②の「3人」の3回分の「9人」少なくなって、
14人ー9人=5人(の減少)
となり題意(男女合わせて5人減った)と合いますので、
昨年度の人数は
男子…140人ー20人×3(回)=80人
女子…20人×3(回)=60人
と分かりますので、
今年の人数(答え)は、
男子…80人×90%=80人×0.9=72人 …答え
女子…60人×105%=60人×1.05=63人 …答え
と分かります。
問題その2
現在、父は43歳、弟は9歳である。父の年齢が弟の年齢の3倍になるのは何年後か求めなさい。
解答
最初に、2人の年齢差は
43ー9=34(歳)
であり、これは何年経っても変わらないことに着目します。
何年後かに「父の年齢が弟の年齢の3倍」になった時の年齢を線分図で表すと、
父の年齢├─┼─┼─┤
弟の年齢├─┤
このように弟が1目盛りで、父がその3倍の3目盛りとなっていて、当然ながら差は2目盛りとなっています。
この時も年齢差は34歳ですから、
1目盛り=34歳÷2(目盛り)=17歳
と分かりますので、
この時の2人の年齢は、
父の年齢=17歳×3(目盛り)=51歳
弟の年齢=17歳×1(目盛り)=17歳
と分かりますので、
どちらの年齢で考えても、これは今から
8年後…答え
と分かります。
問題その3
家から学校までを往復するのに、行きは毎分120m、帰りは毎分180mの速さで歩いたら、 合計で15分かかった。 家から学校までの道のりをもとめなさい。
解答
所要時間は速度の逆比となりますので、
所要時間に関して、
行き:帰り=180:120=3:2
と分かります。
すなわち、合計15分の内訳は、
行き:帰り=9分:6分 …※
となっていると分かります(後述)。
従って道のりは、
行きで考えても、
毎分120m×9分=1080m…答え
帰りで考えても、
毎分180m×6分=1080m…答え
※以降、「合計15分を3:2で分けたら9分:6分となる」部分が分からない方向けの補足説明です。
所要時間を線分図で表すと、
行き├─┼─┼─┤
帰り├─┼─┤
この合計
3+2=5(目盛り)
が時間で言えば「15分」なので、
1目盛り=15分÷5(目盛り)=3分
と分かりますので、
行き…3分×3(目盛り)=9分
帰り…3分×2(目盛り)=6分
と分かります。
問題その4
あるクラスの生徒が長いすにすわるのに、4人ずつすわると6人がすわれず、 5人ずつすわると最後のいすにすわるのが2人だけになりました。 生徒の人数を求めなさい。
解答
全ての長いすに4人ずつ座っていて、座れない6人が横に立っている状況から考えます。
ある長いすを「椅子A」と名付けるとして、そこから2人を残して2人が立ち上がります。すると立っている人は8人となります。
「椅子A」以外の4人ずつ座っている長いすに、立っている8人が1人ずつ「5人目」として座っていくと、ぴったり座ることができます。何故ならこの状態が「5人ずつ座ると最後の椅子(椅子A)は2人となる」という状態に他ならない為です。
立っていた8人が1人ずつぴったり座れた訳なので、「5人ずつ」となった長いすは8つあると分かりますので、これらの人数に「椅子A」の2人を加えたものが総人数となります。
総人数=5人×8+2人=42人 …答え
問題その5
A君の家から駅まではB君の家から駅までより200m遠い。ある日同時に家を出て駅に向かった。A君は毎分100mでB君は毎分80mだった。駅に同時についた。それぞれの家から駅までの道のりを求めなさい
問題文より、
・2人は同じ時間進んでいる。
・A君のほうが200m多く進んでいる。
と分かります。この二点より答えを導き出します。
同じ時間を進んでいるので、2人が進んだ距離(道のり)は速度に比例するので、
進んだ距離の比は、
A君:B君=100:80=5:4
進んだ距離の線分図
A君├─┼─┼─┼─┼─┤
B君├─┼─┼─┼─┤
A君のほうが200m多く進んでいますので、線分図の1目盛りは200mに相当すると分かりますので、
A君の進んだ距離
200m×5(目盛り)=1000m …答え
B君の進んだ距離
200m×4(目盛り)=800m …答え
となり、これがそれぞれの家から駅までの距離に他なりませんので、これが答えとなります。
おわりに
今回は「方程式で解くよりも算数で解いたほうが、労力が少ないか、もしくは同じくらい」の問題を選んでいます。
問題の内容によっては、そのまま素直に方程式で解くほうが労力が少ないものも多々ありますのでご留意下さい。
小学校の「算数」と中学校の「数学」は超絶に「大切」だと思う話
はじめに
今年で51歳になる中年男性の私ですが、小学校で習う「算数」と、中学校で習う初歩的な「数学」に関しては、生きていく上で非常に「大切」であると改めて思っています。
これが心底から「理解」出来ていて身に付いているのか、それとも表面的な「やり方」を知っているだけで心底からは理解出来ていないのかでは、大人になってから仕事などで直接的に利用するかしないかに関わらず、単なる日常生活を過ごすだけでも「その人生の豊かさ」にさえ関係するのではないか、なんて思うほどです。
「心底から理解出来ている」とは?
「心底から理解出来ているとか、出来ていないなどの違いって何?」と思われた方の為に、一つだけ初歩的な事例を挙げておきます。
小学校で習う「速度算」というものがあります。「公式とかやり方を丸覚えしてやり過ごした」という方も多いと思います。
これの「概念」そのものを知っていると、公式を覚える必要などまるでないと気づきますし、そもそも公式を頭に思い浮かべることがなくなります。以下、それを図解で説明します。
├─60km─┼─60km─┼─60km─┤
上図に「1目盛りで60km」を3目盛り描きました。
1目盛りを1時間で進むクルマがあったとします。すると「1時間で60km進む」訳ですから、このクルマは「時速60km」ということになります。
そのクルマが3時間進むと、上図の通り3目盛りですから、トータルで進む距離は当然ながら60km×3=180kmとなります。これが、
問.時速60kmのクルマが3時間走ると何km進みますか?
答.時速60km × 3時間 = 180km
ということの「本質的な意味」です。
以上が心底から理解出来ていれば、
問.3時間で180kmを進むクルマの速度は?
答.180km ÷ 3時間 = 時速60km
問.時速60kmのクルマが180km進むのに何時間かかりますか?
答.180km ÷ 時速60km = 3時間
というように、何が既知で何を求めるパターンであっても即座に求め方が分かりますし、公式とか「きはじ」の図など思い浮かべることはありません。答えを求める際の算式が「公式」である訳ですが、「公式を思い出して数値を当てはめている」訳ではなくて、直感で式を立てている訳です。
以上のような内容を「心底から理解している人」と「公式に当てはめて考えている人」の違いについて、理解している側から見れば相手がどちらであるかというのは日常会話程度で分かります。
そして極めて当たり前の話ですが、「公式に当てはめて考える人」よりも「心底から理解している人」のほうが応用性が高い訳であり、その違いは「雲泥の差」と言って差し支えないと思います。
日常生活の中で
「速度算」に限らず、「割合」にしても「濃度」にしてもその他も、全て同じような話となっています。
重要なのは、これらの内容は「仕事(の専門性のある知識)」とか「勉強」のみで登場する訳では決してなく、職場を含む日常生活でも普通に用いられることです。そしてそれは、「速度」とか「割合」とか「濃度」など直接的にそのような形をしていないことも多々あります。例えば仕事の予定(工程)を立てるとか、効率的な作業手順を考えるとか、そういった場面での「思考力」に形を変えて登場する訳です。
理解出来ているものどうしなら本質的な会話をして手短に結論や方針が得られる場合でも、相手が「理解出来ていない人」だと円滑に話は進みませんし、場合によっては「全く話が通じないな」と会話を諦めます。
仕事(職場)以外の場面でなら別にそれでも良いのかも知れませんが(個人的には決して良いとは思いませんが)、仕事上の付き合いでそのような基礎的な内容に関して「全く話が通じないな」と思われるのは、その職種がどのようなものであっても「大きな損失」と言えると思っています。
義務教育で学ぶ意味
以上は「小学校の算数」と「中学校の数学」の話ですが、これが「高校数学」となると、かなり印象が違うように思います。
「高校数学」というのは内容にもよりますが、基本的にはより抽象的と言いますか、「具体的に目に見えるようなカタチのあるものとは異なる何か」を扱っているような感覚がより強いように思います。
従って上で述べたような「日常会話」においての内容や、その際に思い浮かべる思考の部分において、「高校数学」の内容が登場する頻度というのは、「小学校の算数」や「中学校の数学」と比べればぐっと少ないように思います。
もちろん、科学技術の発展の為には「数学の力」は必須ですから、日常生活にあまり登場しないからと言って「重要でない」なんてことは決してありません。
ただ、そのようなものは「学ぶ意欲のある者が学べば良い」とも言えるわけで、従って行く行かないを選択出来る「高校」以降で学ぶのだろうと思います。(高校は義務教育ではありませんので、行かずに中卒となる選択肢も認められています。)
逆に言えば、「小学校の算数」とか「中学校の数学」というのは、大人になり生きていく上では就く職業や立場などに関わらず「必須のもの」であるが故に、義務教育の間に学んでいるのだろうとも思います。
おわりに
以上、「小学校の算数」と「中学校の数学」に関してその「重要性」などを述べましたが、そういう観点とは別に、子供が算数や数学の勉強をする際においても、「丸暗記で公式に数字を当てはめるだけ」みたいな勉強よりかは、「出来るだけ本質部分を理解して思考力で解いていく」ほうが楽しいようにも思うのです。
「嫌々やる」よりも、楽しく学んで更に理解も深まるのであれば、それが最も望ましいことだろうと思います。
中一になったばかりの息子が数学検定3級で(ほぼ)満点が取れた理由
はじめに
今春から中学一年生となった我が家の一人息子ですが、小さな頃から算数、数学の先取り学習を自宅学習でやっていて、私(父親)が教えてきました。
さて、中学に入ってすぐの四月に、数学検定3級(中学校3年程度)を受験する予定でしたが、新型コロナの影響で延期になり、七月に受験しました。
結果は合格でした。事前にWEB合否確認で合格していたことは把握していましたが(その確認ページでは点数までは分からない)、つい先日、郵送で合格証などが送られてきまして、それで点数も以下の通り判明しました。
・1次試験…30問中、全問正解
・2次試験…20問中、19問正解
という訳で、「2次試験の1問」だけ落としてしまっていますが、実はこれは「最初から捨てていた問題」となっています。
と言うのも、必ず1問「作図問題」(コンパスで作図するような問題)が出ることは分かっていたのですが、息子は手先が器用ではないほうなので、それに時間を取られるよりかは、それは捨てる前提で、余った時間で残りの19問をしっかり見直しして確実に取りに行こうと決めていました。
そして、その19問は確実に正解した訳なので、「実質的には満点だった」と言えるのだろうと思っています。
中一になったばかりの息子が数学検定3級で(ほぼ)満点が取れた理由
■「検定対策」のような勉強はしていない
最初に書いておくと、普段から「数学検定の為の対策」というような勉強はやっておりません。「数学の本質部分」から理解出来るように心がけて、数学検定とは無関係の参考書や問題集などを用いて勉強させています。
「ここまで仕上がっていたら、数学検定程度の簡単な問題なら余裕で受かるだろう」みたいな確認の意味で、試験直前だけ市販の模擬試験をやって、受験して合格している、という感じです。また、合格すると息子は嬉しいようですから、それで受けさせているという側面もあります。
■息子は「天才タイプ」でもない
延期にならなければ試験がある予定であった四月の段階では、現在と同様の中学数学の学力がありましたので、すなわち息子は小学6年生の終わりまでには、「中学3年までの数学」の基本は全て終わっていたことになります。
息子は特に天才タイプ(例えば幼少期に勝手に数学の本を読み始めるなどする子供)ではなく、いたって普通の幼少期でした。
■しっかり考えながら多くの問題を解いてきた
その「いたって普通」である息子が、数学検定の問題は比較的簡単であるとは言え、中学3年の内容の応用問題(2次試験)であっても、初見の問題であっても普通に考えて解くことが出来るようになったのは何故かと言うと、一言で言えば「圧倒的な演習量の多さ」だろうと思います。それを「公式やパターンの丸覚え」ではなく「しっかり考えながら多くの問題を解いてきた」ことが現在の強みになっているのだろうと思います。
小学算数の時代からの話になりますが、例えば年齢算や倍数算などの特殊算に関して、中学受験をする訳でもないのに、毎日毎日(数えたことは無いですが)考え続けてトータルでは何百問も解いてきている訳です。いや、受験の為にやっていないからこそ、丸覚えに走らずじっくり考え続けることが出来てきたのかも知れません。
そんな勉強を小学4年生の秋までやって、算数検定6級(小学校6年程度)に合格したので、本当に難しい受験算数(算数検定では出ない)は出来ないままでしたが、息子本人が「中学数学に進みたい」という意向でしたので、そのまま中学数学に進み、その後の半年間(小学4年生の終わりまで)で「中学1年の数学」は余裕で終わったのですが(数学検定5級(中学校1年程度)にも合格)、それを勉強する際には「小学算数を勉強していた時代」に一生懸命考えていた、例えば「速度」とか「割合」などが概念の部分からしっかり理解出来ていたことが、非常に強みになっていた訳です。
その後、小学5年生の1年間で「中学2年の数学」を、小学6年生の1年間で「中学3年の数学」をじっくり学んだ訳ですが、基本の理解が済んだら後はひたすら「応用問題」をじっくり考え続けて、それを数百問とこなしている訳ですから、それが現在の強みになっているのだろうと思います。
「好きこそ物の上手なれ」という側面もあると思う
先に「息子は特に天才タイプではなかった」と書きましたが、算数、数学が「好きか嫌いか」「向いているか向いていないか」で言えば、どちらかと言えば好きなほうで、そこそこ向いているのだろうとは思います。
例えば息子は運動神経は悪くないほうで、やっている部活(球技)でもそこそこの立場にいたりするのですが、苦手なものもあって、それは「水泳」なのですが、小学校低学年か中学年の頃に何年間か水泳教室に通っていましたが、全く上達しませんでした。
あと、学校の勉強では音楽のリコーダーの演奏などが苦手ですが、元々下手くそである上に、嫌いなので大した努力もしないので、全く上達しない訳です。
そういったものと比べると、算数、数学に関しては小さな頃から「真剣に集中して考え続けていた」感じでしたので、「人並み以上に努力することが大して苦痛に感じない」程度には「好きで向いていた」のだろうと、今になっては思います。
「先取り学習」効果として予想していなかった「特典」があった
私の思いとしては、「受験とか成績などとは別に、大人になった時に『しっかり使いこなせる』程度には算数、数学の力を身に付けて欲しい」という思いから先取り学習を始めたのですが、全く予想していなかった「特典」があることに、最近気づきました。
最近、中学校で「実力テスト」があったのですが、息子は塾に通っておらず誰かから対策的な指導が受けられる訳では無いのですが、5教科で500点満点中、450点以上の高得点を取ってきました。
見ていると、息子のアドバンテージとして「数学の勉強に一切時間が取られない」という部分があるのだと気づきました。数学は一切勉強せずに、ほぼ百点が取れる訳ですから(実際には1問だけケアレスミスで落として百点では無かった)、浮いた時間を他教科の勉強に充てられる訳で、それが大きなアドバンテージとなっている訳です。
なんせ「(そこそこの難度であれば)初見の応用問題でも自力で解ける」数学力がありますので、学年が上がれば「一切勉強しない」は無理かも知れませんが、ミニマムの勉強時間で試験は乗り越えられるでしょうから、そのアドバンテージは中学校の間、ずっと続くのだろうと思っています。
おわりに
■先取り学習のメインは「英語」に切り替え
現在の息子は数学の先取り学習は「高校1年程度」の範囲をやっていて、そこそこ通用しそうな感じではあるのですが、「数学の先取り学習」の勉強時間はかなり減らしています。
と言うのも、中学校の定期テストや実力テストなどを考えた時、「丸覚えのような勉強では、いずれ点数が取れなくなる教科」の筆頭は数学で(これは息子はクリア出来ている)、その次が「英語」だと私は思っているのですが、今まで「算数、数学以外の勉強は出来るだけ私は見ないでおこう」(息子の自主性に任せよう)というスタンスで来ていて、英語に関しても私は全く見ておらず、先取り学習の部分に関しては「公文の通信教材」をやっていたのですが、定期テストや実力テストの準備勉強の際に英語の理解度を確認してみると、数学とのそれと比べれば「全くダメ」な感じでして、まあ中一の前半程度なら点数は取れるのでしょうが、その内に「応用的な問題は解けなくなるだろう」という感じでしたので、「私が教えながら勉強させる時間」は今までの数学から英語に切り替えた次第です(公文の通信教材は辞めた)。
公文の通信教材をやっている時は「全く面白くなかった英語」も、この数ヶ月、文法と言うか「文章の構造」から理解出来るように教えてみたところ、今ではけっこう理解出来てきて、「和文→英文」に直す初見のパターンでも簡単なものであれば「そこそこ文章が組み立てられる」ようになってきており、それに伴い「考える面白さ」が分かってきたそうなので、そんな感じで進めるところまでは進めようかなと思っています。
■今後の「数学」
数学も空いた時間で「高校1年程度」の先取り学習も続けていますが、他にも例えば「中3数学の難しい因数分解の問題」でどちらが早く解けるか勝負しようと息子が言ってきたりするものに付き合ったりもしていて、そんな感じで少しでも「数学に触れる機会」を確保出来ていれば、もうこれ以上「いついつまでに高1範囲を終わらせよう」的な進め方はしなくて良いかなと思っています。
ただ、これは単なる事実(と言うか率直な感想)として、「現在の数学力があれば、何とか時間を確保して数学の先取り学習を続けていれば、中一が終わる頃には、『数学検定準2級(高校1年程度)』には合格出来るだろう」とは伝えています。
易しめの「損益算」の文章題を5つ集めて「一次方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、易しめの「損益算」の文章題を5つご紹介します。最も初歩的な単純計算(方程式は全く不要なもの)よりは複雑だが、比較的易しめの問題を選んでいます。
自分で解いてみた解答も併せて記します。一次方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「一次方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
なお、「損益算」の最も基本の部分からお知りになりたい場合は、本ブログの別記事であるコチラの前半をご参照下さい。
一次方程式で解いてみた損益算(その1)
ある品物に原価の3割5分の利益を見込んで売ったら売れなかったので、
定価の2割引きで売ったところ160円の利益になりました。
この品物の定価はいくらですか。
■私が考えた解答(解説)
最も初歩的な問題となります。
問われているのは定価ですが、
まずは原価をa円とおきます。 …①
すると定価は原価a円の3割5分増しなので、
1.35a …②
と表すことが出来て、
定価②の2割引き(売価)は、すなわち0.8倍なので、
1.35a×0.8 …③
売価③-原価①=利益160円
なので、
1.35a×0.8-a=160
という一次方程式を立てることが出来て、これを解きます。
左辺を計算すると、
1.08a-a=160
0.08a=160
両辺を0.08で割ると、
a=2000 …解(原価)
以上、原価a=2000(円)と分かったので、
答え(定価②)は、
1.35×2000=2700 …答え
答え 2700円
一次方程式で解いてみた損益算(その2)
ある商品の定価の12%引きで売ると200円の利益があり、3割引きで売ると340円の損失になります。この商品の原価はいくらですか
解説お願いします 損益算 - ある商品の定価の12%引きで売ると200円の利益があ... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
問われているのは原価ですが、
まずは定価をa円とします。
定価の12%引きの売価は、
すなわち定価の88%なので、
0.88a
と表すことが出来て(この時の利益は200円)、
売価から利益を引くと原価なので、
原価=0.88a-200 …①
また、定価の3割引きの売価は、
すなわち定価の7割なので、
0.7a
と表すことが出来て(この時は損失が340円)。
売価に損失を足せば原価なので、
原価=0.7a+340 …②
①も②も同じ「原価」を表しているので、
すなわち①=②なので、
0.88a-200=0.7a+340
という一次方程式を立てることが出来て、これを解きます。
移項して計算すると、
0.18a=540
両辺を0.18で割ると、
a=3000 …解
求めたい答え(原価は)、aを②に代入し、
原価=0.7×3000+340=2100+340=2440 …答え
答え 2440円
一次方程式で解いてみた損益算(その3)
100個の製品を仕入れて2割の利益を見込んで定価をつけ60個売った。
その後、定価の2割引で40個売ると、利益は合計で8320円となった。
この製品の仕入れ値はいくらか?[文章題 割合・損益算]100個の製品を仕入れて2割の利益を見込んで定価をつけ60個... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
1個の仕入れ値を問われているものとして書き進めます。以下、1個の仕入れ値を「原価」と称します。
原価をa円とします。 …①
定価は原価の2割増しなので、
1.2a (円) …②
定価の2割引きの売価は、
すなわち定価の8割なので、
1.2a×0.8 (円) …③
さて、仕入れ値総額は①が100個分なので、
a×100 …④
また、売上総額は、
②が60個分+③が40個分なので、
すなわち、②×60+③×40 なので、
1.2a×60+1.2a×0.8×40 …⑤
売上総額⑤=仕入れ値総額④+利益8320円
なので、
1.2a×60+1.2a×0.8×40=a×100+8320
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
両辺を計算すると、
72a+38.4a=100a+8320
移項して計算すると、
10.4a=8320
両辺を10.4で割ると、
a=800 …原価(答え)
答え 800円
一次方程式で解いてみた損益算(その4)
ある商品を定価で1個売ると
2700円の利益があります。この商品を定価の15%引きで
15個売ったときの利益は、
定価の10%引きで9個売った
ときと同じになります。この商品の原価は何円ですか?
■私が考えた解答(解説)
原価をa円とします。
定価=原価+利益 なので、
定価=a+2700 …(ア)
と表すことが出来て、
定価の15%引きは、すなわち定価(ア)の85%なので、
(a+2700)×0.85
この時の利益は、これから原価a円を引けば良いので、
(a+2700)×0.85-a …①
また、定価の10%引きは、すなわち定価(ア)の90%なので、
(a+2700)×0.9
この時の利益は、これから原価a円を引けば良いので、
(a+2700)×0.9-a …②
定価の15%引きで15個売った時の利益と、定価の10%引きで9個売った時の利益が同じであるということは、すなわち、
①×15=②×9
なので、
{(a+2700)×0.85-a}×15={(a+2700)×0.9-a}×9
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
計算を進めると、
{0.85a+2295-a}×15={0.9a+2430-a}×9
{-0.15a+2295}×15={-0.1a+2430}×9
-2.25a+34425=-0.9a+21870
移項して計算すると、
-1.35a=-12555
両辺を-1.35で割ると、
a=9300 …原価(答え)
答え 9300円
一次方程式で解いてみた損益算(その5)
原価96円の布と原価75円の和紙を合わせて520個仕入れた。布には25%、和紙には12%の利益を見込んで定価をつけた。全部売れると7680円の利益になる。和紙は何個仕入れたか。
■私が考えた解答(解説)
和紙の個数をa個とします。
合わせて520個なので、布の個数は、
520-a (個)
布に関して
・1個あたりの利益(円)は、原価の25%なので、
96×0.25
・従って布全体の利益(円)は、上記×個数なので、
96×0.25×(520-a) …①
和紙に関して
・1個あたりの利益(円)は、原価の12%なので、
75×0.12
・従って和紙全体の利益(円)は、上記×個数なので、
75×0.12×a …②
①と②を合わせると、利益総計は7680円なので、
96×0.25×(520-a)+75×0.12×a=7680
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
左辺を計算すると、
12480-24a+9a=7680
移項して計算すると、
-15a=-4800
両辺を-15で割ると、
a=320 …答え
答え 320個
おわりに
易しめの「損益算」を解説しながら一次方程式で解いてみました。
「分配算」を5つ集めて詳しく解説しながら「一次方程式」で解いてみた
はじめに
質問サイトの過去ログを見ていて見つけた、「分配算」の文章題を5つご紹介します。
自分で解いてみた解答も併せて記します。一次方程式を用いた中学数学での解き方となります。
「一次方程式」自体の計算の仕方についてはお分かりである前提での記述となっていますのでご了承下さい。ただし途中式とその解説は全て省かず記載しています。
解答の考え方や答えには間違いはありませんが、途中式などで誤字脱字などがある場合はご容赦下さい。
一次方程式で解いてみた分配算(その1)
2600円のお金をA、B2人に分けるのに、
AはBの5倍より40円少なくなるようにします。
Bは何円もらえますか?算数質問!!「分配算」 - 2600円のお金をA、B2人に分けるのに、AはBの5倍... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
最も初歩的な問題となっています。
Bがもらえる金額をb円 …①
とします。
Aがもらえる金額は、
Bがもらえるb円の5倍より40円少ないので、
b×5-40 (円) …②
と表せます。
2人合わせると2600円ですから、すなわち、
①+②=2600円 なので、
b+b×5-40=2600
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
左辺を計算すると、
b+5b-40=2600
6b-40=2600
移項して計算すると、
6b=2640
両辺を6で割ると、
b=440 …答え
答え 440円
一次方程式で解いてみた分配算(その2)
二つの数A、Bがあります。AをBでわると、商が5であまりが8になります。 AとBの和が86の時、Aはいくつですか?
■私が考えた解答(解説)
問題文の内容でそのまま式を立てると、
A÷B=5あまり8
ですから、割り算の「確かめ算」の要領で書き直すと、
B×5+8=A
左右を入れ替えて書き直すと、
A=B×5+8 …※
と分かります(ちなみに意味も書いておくと、「Aは、Bの5倍より8多い」と分かったことになります)。
これとBの和が86ですから、
A+B=86
すなわち、
B×5+8+B=86
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
左辺を計算すると、
5B+8+B=86
移項して計算すると、
6B=78
両辺を6で割ると、
B=13 …解
Bが13と分かったので、※式にこれを代入すると答え(Aの値)が分かります。
A=13×5+8=65+8=73 …答え
一次方程式で解いてみた分配算(その3)
1690円のお金をA,B,Cの3人で分けます。BはAの3倍より50円多く、CはBの4倍にします。A,B,Cはそれぞれ何円になりますか。
分配算の問題です。1690円のお金をA,B,Cの3人で分けます。BはAの3倍より50円... - Yahoo!知恵袋より引用
■私が考えた解答(解説)
Aが受け取る金額をa円とします。…①
Bが受け取る金額は、
Aの3倍より50円多いので、
a×3+50 …②
と表すことが出来て、
Cが受け取る金額は、
B(上記②)の4倍なので、
(a×3+50)×4 …③
と表すことが出来ます。
合計は1690円なので、すなわち、
①+②+③=1690円
ですから、
a+a×3+50+(a×3+50)×4=1690
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
左辺の計算を進めると、
a+3a+50+(3a+50)×4=1690
4a+50+12a+200=1690
移項して計算すると、
16a=1440
両辺を16で割ると、
a=90 …Aの金額
aを②に代入し、
Bの金額=90×3+50=270+50=320
Cの金額はBの4倍なので、
Cの金額=320×4=1280
答え
A…90円
B…320円
C…1280円
一次方程式で解いてみた分配算(その4)
長さ60センチのリボンをA、B、Cの3つのリボンに分けました。
AはBの3倍より1.2cm短く、
BはCの2倍より1.8cm長くなりました。Bの長さは何cmですか。
■私が考えた解答(解説)
Bの長さをb(cm)とします。 …①
Aの長さはBの3倍より1.2cm短いので、
b×3-1.2 (cm) …②
と表すことが出来ます。
さて、Bの長さ(b)は「Cの長さ」の2倍より1.8cm長いですから、
すなわち、Bの長さを1.8cm減らすと(bから1.8引くと)、「Cの長さ」の2倍と等しくなりますので、
「Cの長さ」×2=b-1.8
と分かり、従って、
「Cの長さ」=(b-1.8)÷2 …③
と表すことが出来ます。
全部で60cmなので、すなわち、
①+②+③=60cm
ですから、
b+b×3-1.2+(b-1.8)÷2=60
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
両辺に2を掛けると、
2b+6b-2.4+b-1.8=120
移項して計算すると、
9b=124.2
両辺を9で割ると、
b=13.8 …答え
答え 13.8cm
一次方程式で解いてみた分配算(その5)
ある量の砂をAとBの2台のトラックで分けて運びます。
Aで運ぶ砂の重さがBで運ぶ砂の重さより1100kg少なく、
Bで運ぶ砂の重さがAで運ぶ砂の重さ
の3倍より300kg少ない時、A、Bで運ぶ砂の重さはそれぞれ何kgですか?
■私が考えた解答(解説)
Bで運ぶ重さをb(kg)とすると、…①
Aで運ぶ重さは上記より1100kg少ないので、
b-1100 (kg) …②
と表すことが出来て、
Bで運ぶ重さ①が、Aで運ぶ重さ②の3倍より300kg少ないので、すなわち、
①=②×3-300
ですから、
b=(b-1100)×3-300
という一次方程式を立てることが出来て、これを解くと答えが得られます。
右辺を計算すると、
b=3b-3300-300
移項して計算すると、
-2b=-3600
両辺を-2で割ると、
b=1800 …Bで運ぶ重さ
Aで運ぶ重さはbを②に代入し、
Aで運ぶ重さ=1800-1100=700
答え
A…700kg
B…1800kg
おわりに
「分配算」を詳しく解説しながら一次方程式で解いてみました。