【算数】特殊算の解き方(6)(後編) 仕事算の解き方を解説します(後編)
はじめに
この記事は前回記事(コチラ)の続きとなります。
仕事算の解き方に関する基本事項は前回記事の前半をご参照下さい。前回記事の後半で色々な仕事算を解いてきて、今回はその続きとなります。なお、記事が長くなり過ぎるので前編と後編に分けているだけで、それ以上の意味はありません。
色々な仕事算を解いてみます(続き)
問題
Aのみで24日、Aで3日、Bで14日で終わる仕事がある。Bのみでは何日?
【仕事算】 - Aのみで24日、Aで3日、Bで14日で終わる仕事がある。Bのみでは... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
この問題は「能力比を把握する方法」で簡単に(暗算レベルで)出ます。なお、前回記事で述べました通り、この方法は一般的なものではありません(私が勝手に思い付いたやり方)。
・Aのみなら24日で終わる
Aが3日+Bが14日で終わる
・と言うことは、Aの21日分の仕事をBが14日でしていると分かるので、能力は所要日数の逆比より
A:B=14:21=2:3
・従ってAのみなら24日なので、Bのみなら
24日×2/3=16日 (答え)
問題
ある仕事をするのに、aの機械だけを使うと12時間かかる。この機械を使って最初は仕事を始めた。しかし、約束の時間に間に合いそうにないので、途中からaの1.5倍の速さでこなす機械bに変えた。
そうしたら作業を始めてから9時間で仕上がり、何とか約束の時間に間に合った。機械bは何時間使ったか。
解答(解説)
仕事算の他、鶴亀算を使って解いています。
・aの1時間あたりの仕事量を「2」とする。
仕事量全体は2×12時間=24
bの1時間あたりの仕事量は2×1.5=3
・24全てでaを使用したと仮定すると、所要時間は
24÷2=12時間
・現実は9時間なので
12時間-9時間=3時間
長い
・仕事量を1ずつa→bに切り替えると、所要時間は
1/2-1/3=1/6時間
ずつ短くなる。
・従って
3時間 ÷ 1/6時間 = 18
の仕事をa→bに入れ替えれば良い。
・以上によりbを使用した時間は
仕事量÷1時間あたりの仕事量
=18÷3
=6時間 (答え)
問題
A1人では48日、B1人では32日、C1人では96日かかる。全員が共に働いたら、仕事を終えるのに何日かかるか。
仕事算の問題で - A1人では48日、B1人では32日、C1人では96日かかる。全員... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
上の2問は標準的では無かったので、この問題は標準的なものをピックアップしました。仕事量を「1」として分数で解く方法は引用元の回答で既出ですので、ここでは最小公倍数を仕事量とする方法で解きます。
・仕事量を「96」とする。
・1日あたりの仕事量は
A=96÷48日=2
B=96÷32日=3
C=96÷96日=1
3人合わせると
A+B+C=2+3+1=6
・従って3人合わせた時の所要日数は
仕事量÷1日あたりの仕事量=96÷6=16日 (答え)
問題
Aが1人でやると10時間かかり、Bが1人でやると15時間かかる仕事がある。Aが1人でやって途中でBに変わってもらった。Aが始めてから12時間で終わったとすると、Aが仕事をしていた時間は何時間ですか。
解答(解説)
これは食塩水の問題や平均の問題を解く際の面積図で考えると暗算レベルで答えが出ます。(面積図は省略します)
・仕事量を「30」とする。
・1時間あたりの仕事量は
A=30÷10時間=3
B=30÷15時間=2
・今回は30の仕事が12時間で終わっているので、1時間あたり(2人の平均)は
30÷12時間=2.5
・上記平均に対してAの3、Bの2は差が0.5ずつ等しいから、12時間の内、AとBは丁度半分ずつ占めていると分かる。
・従ってAがしていた時間は
12時間÷2=6時間 (答え)
問題
Aが1人でやると30日かかり、Bが1人でやると20日かかる仕事がある。Aが1人でやって途中でBに変わってもらった。Aが始めてから25日で終わったとすると、Aが仕事をしていた日数は、何日かですか。
解答(解説)
上の問題と全く同じ解法ですが、上の問題は「丁度半分」だったので、そうならない問題を取り上げました。
・仕事量を「300」とする。
・1日あたりの仕事量は
A=300÷30日=10
B=300÷20日=15
・今回の仕事は25日で終わっているので、1日あたり(2人の平均)は
300÷25日=12
・上記平均に対する差は
A…12-10=2
B…15-12=3
・働いた日数は上記の差の比の逆比なので
A:B=3:2
・2人合わせて25日なので、Aが働いた日数は
25日×3/(3+2)=15日 (答え)
問題
A1人がすると12日、B1人がするた16日でちょうど終わる仕事があります。この仕事をA,B2人で始めましたが、途中でBが□日休んだため、9日でちょうど終わりました。
解答(解説)
標準的で無い問題が2問続きましたので、これは標準的な問題を取り上げました。仕事量を最小公倍数とする解き方は引用元の回答で既出ですので、ここでは最もベーシックな、仕事量を「1」とする方法で解きます。
・仕事量を「1」とする。
・1日あたりの仕事量は
A=1÷12日=1/12
B=1÷16日=1/16
・Aは9日間ずっと働いているので、こなした仕事量は
1/12 × 9日 = 3/4
・以上によりBがこなした仕事量は
1-3/4=1/4
・Bが働いた日数は
仕事量÷1日あたりの仕事量
=1/4 ÷ 1/16
=4日
・従ってBが休んだ日数は
9日-4日=5日 (答え)
問題
仕事算について問題です。3人が何日か働いて仕事全体の5分の3終えた。残りは4人で2日かかった。この仕事は全部で何日かかったか?
解答(解説)
通常は仕事全体の量を「1」や「最小公倍数」で決めますが、それは各人の単位あたり(1日あたりもしくは時間あたり)の仕事量が異なるからそうするのであって、この問題のように各人の単位あたりの仕事量が等しい場合は、各人の単位あたりの仕事量を「1」とするのが最も簡単に解けます。
・1日1人あたりの仕事量を「1」とする。
・最後の2日で行われた仕事量は
4人×2日=8
・これが全体の5分の2なので、最初の何日かで行われた全体の5分の3の仕事量は
8×3/2=12
・これを3人でこなした訳だから、その所要日数は
12÷3人=4日
・従って通算では
4日+2日=6日 (答え)
問題
Aだけでおこなうと9時間かかる仕事がある。Aが3時間仕事に取り組み、残りをBが仕事をする。Bは、Aより1.8倍の速さで仕事ができるとすると、Bが行った仕事は何時間か。割りきれない場合は、分数で答よ。
解答(解説)
仕事が題材になっているというだけで、内容は特殊算でも何でもない、普通の文章問題となっています。
・Aが3時間仕事をした残りは、Aがした場合の6時間。
・その残りを「Aの1.8倍の速さのB」がするので、その所要時間は
6時間÷1.8=6/1.8時間=30/9時間=10/3時間(答え)
問題
通常3人で1日8時間働いて10日かかる仕事がある。この仕事を4人で6日間で終わらせたい。1日何時間働けばよいか。
解答(解説)
各人の能力が同じなので、単位あたりの仕事量を「1」とする方法で解きます。
・1人1時間の仕事量を「1」とする。
・3人、1日8時間、10日で終わる仕事なので仕事量は
3×8×10=240
・4人、6日間で終わらしたい訳だから、1日の仕事時間は
240÷(4×6)=10時間 (答え)
問題
20日で仕上げなければならない仕事がある。はじめ10人で仕事をしていたが、14日たっても全体の5/2の仕事しかできなかったため人数を増やすことにした。
予定日までに完成させるためには、あと何人増やせばよいか。 ただし、1人1日当たりの仕事量は同じとする。
注)引用なのでそのまま記していますが、問題中の「5/2」は誤りで2/5(5分の2)が正です。
解答(解説)
全体の仕事量や単位あたりの仕事量など全く把握しなくても解ける、むしろ仕事算とは言えないような内容となっています。
・最初に14日間で全体の2/5の仕事をした(人数は10人)。
・残りは6日間で全体の3/5の仕事をしなければならない。
・従ってこの6日間の必要人数は
日数の少なさと仕事量の多さの割合より
10人×(14日/6日)×(3/2)=35人
・以上により増やす人数は
35人-10人=25人 (答え)
問題
ある量の仕事を行うのに、Aだけが12日間働き、その後Bだけが10日間働くと、その仕事が終わる。また、AとBが一緒に8日間働いて、その後Bだけが7日間働いても仕事が終わる。この仕事をAだけが働いて終わらせることができる日数は何日か。
解答(解説)
これも題材が「仕事」というだけで、実質的には消去算(Bを消す)となっています。
・Aが12日+Bが10日で仕事が終わる。…①
・Aが8日+Bが8日+Bが7日
=Aが8日+Bが15日でも仕事が終わる。…②
・①、②より
Aの4日=Bの5日
と分かるので、①のBをAに書き換えると以下の通り。
・Aが12日+Bが10日
=Aが12日+Bが5日+Bが5日
=Aが12日+Aが4日+Aが4日
=Aが20日
・答え 20日
問題
Aさんがすべて一人でやると24日、Bさんがすべて一人でやると21日かかる仕事がある。
この仕事をAさんが一人で16日間やった後、17日目かrはBさんが一人でやったとすると、Aさんが仕事を始めてから何日で仕事が完成するか。
注)引用なので修正していませんが、問題文中の「17日目かrは」は「17日目からは」が正となります。
解答(解説)
こちらも「仕事算」というよりかは普通の文章問題の範疇かと思います。
・Aは24日で全ての仕事が出来るので、そのAが16日でやった仕事は全体の
16日/24日=2/3
・従って17日目以降にBがやった仕事は全体の
1-2/3=1/3
・Bは全部すると21日掛かる訳だから、上記をやるのに必要な日数は
21日×1/3=7日
・以上によりトータルの日数は
16日+7日=23日 (答え)
問題
よしきさんは毎日同じ仕事をする。今、よしきさんがCGデザインを作ろうとして14日働いて全体の3/7を済ませた。残りの仕事をするのに18日と7時間かかった。よしきさんは1日に何時間働いているでしょう。
解答(解説)
こちらも「全体の仕事を1とする」みたいな仕事算とは無関係で解ける問題となります。
・最初の3/7は14日間掛かっている。
・残りの4/7の所要日数は上記の4/3倍なので
14×4/3=56/3=18と2/3日
・この「2/3日」が7時間なので、1日の労働時間は
7時間÷2/3=7時間×3/2=10.5時間(答え)
問題
水そうを水でいっぱいにするのに、細い水道管では70分かかり、太い水道管では28分かかります。
両方の水道管を使って12分間水を入れたあと、細い水道管を止めて、太い水道管だけで水を入れ続けます。水そうがいっぱいになるまでに、はじめから何分かかりますか。
解答(解説)
あと2問で終わります。最後の2問はベーシックな問題と解き方で終わります。仕事量を「1」として分数で解く方法は引用元で既出ですので、ここでは仕事量を最小公倍数とする方法にします。
・水槽の容量を140とする。
・1分あたりの給水量は
細い水道管…140÷70分=2
太い水道管…140÷28分=5
・両方で12分間入れると
(2+5)×12分=84
残りは
140-84=56
・この残りを太い水道管のみで入れるので、その所要時間は
56÷5=11.2分
・従ってトータルの時間は
12分+11.2分=23.2分 (答え)
問題
Aさん1人で20日かかる、Bさんに手伝ってもらうと12日で終わる。
16日で仕上げるには何日手伝って貰えば良いのでしょうか?
解答(解説)
最後の問題です。これも素直な方法で解きたいと思います。
・仕事量を「1」とする。
・1日あたりの仕事量は
A=1÷20日=1/20
A+B=1÷12日=1/12
B=1/12-1/20=5/60-3/60=2/60=1/30
・Aさんが16日働くとこなした仕事量は
1/20 × 16日 = 16/20 = 4/5
・残りの仕事の量は
1-4/5=1/5
・これをBさんが手伝えば良いので、その日数は
仕事量÷1日あたりの仕事量
=1/5 ÷ 1/30
=1/5 × 30/1
=6日 (答え)
おわりに
まだまだ面白そうな問題が複数ありましたので、機会があればページを改めて記したいと思います。