【算数】食塩水の文章問題の解き方の解説(1)
はじめに
私は算数の専門家でも何でもありませんが、息子に算数を教えたり、質問サイトで回答者をやっていたり、もしくは趣味で問題を解いたりしていて、相当数の問題を解いています。そんな中で身に付けている知識を以下に記します。
食塩水の文章問題に関して何度かに分けて記す内の、今回は1回目となります。今回は面積図等を使わなくても解けるような基本的な例題(比較的簡単なもの)についての解き方を記します。ただし例題の最後の2問は初級編とは言えそこそこ難しくなっています。
基本式
最初に基本式を記します。
■基本式
濃度 = 食塩の量 ÷ (食塩の量+水の量)
= 食塩の量 ÷ 食塩水の量
基本式について、更に詳しく(深く)お知りになりたい方は、本ブログの別ページに記していますので、コチラをご覧下さい。
例題(1) 超初級編
問題
食塩10gと水190gを混ぜると、何%の食塩水が出来ますか。
(この問題は私の自作です)。
解答(解説)
簡単すぎて事例を見つけられなかったので自作の問題となります。
・食塩の量…10g
・水の量…190g
・食塩水の量…10g+190g=200g
・濃度=10g÷200g=0.05=5% (答え)
問題
15%の食塩水200gと18%の食塩水200gと20%の食塩水100gを混ぜ合わせると何%の食塩水ができるか。
算数の質問です。 - 15%の食塩水200gと18%の食塩水200gと20%の食塩... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
上の問題と同様に単純計算であり難しい部分はありません。
15%の食塩水200g
・食塩の量…200g×0.15=30g
・食塩水の量…200g
18%の食塩水200g
・食塩の量…200g×0.18=36g
・食塩水の量…200g
20%の食塩水100g
・食塩の量…100g×0.2=20g
・食塩水の量…100g
上の3つを混ぜたもの
・食塩の量…30g+36g+20g=86g
・食塩水の量…200g+200g+100g=500g
・濃度=86g÷500g=0.172=17.2% (答え)
問題
30gの食塩に何gの水を混ぜると、8%の食塩水が出来ますか。
(この問題は私の自作です)。
解答(解説)
比で考えると簡単に分かります。
・食塩:水=8:92=2:23
・以上により
水=食塩×23/2=30g×23/2=345g (答え)
問題
食塩を361gの水に混ぜると、5%の食塩水が出来ました。この食塩の量は何gですか。
(この問題は私の自作です)。
解答(解説)
上の問題と同様に比で考えれば簡単に分かります。
・食塩:水=5:95=1:19
・以上により
食塩=水×1/19=361g×1/19=19g (答え)
例題(2) 初級編
単純計算では無い、いわゆる特殊算として、初級編にあたると思うものをいくつか挙げます。
問題
14%の食塩水500gがある。これに何gの水を加えると10%の食塩水になるか?
14%の食塩水500gがある。これに何gの水を加えると10%の食塩水になるか? - と... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
私が考えた解答です。
・14%の食塩水500gに含まれる食塩の量は
食塩=500g×0.14=70g
・加えるのは水だけなので、食塩の量は変わらない。
・食塩70gで濃度が10%となる時の食塩水(食塩+水)の量は
食塩:食塩水=10:100=1:10
食塩水=食塩×10=70g×10=700g
・元々の食塩水は500gなので、水を足す量は
700g-500g=200g (答え)
問題
濃度3%の食塩水が450グラムある。これに食塩をくわえて濃度10%の食塩水を作るには、加える食塩の量はいくらか。
1濃度3%の食塩水が450グラムある。これに食塩をくわえて濃度10%の食塩水を作る... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
私が考えた解答です。加えるものが水なのか食塩なのかの違いで、基本的には上の問題と同じです。上と同様に方程式的なものは一切使わずに解いてみます。
・3%の食塩水450gに含まれる水の量は
450g×0.97=436.5g
・加えるのは食塩だけなので、水の量は変わらない。
・水が436.5gで濃度が10%となる時の食塩水(食塩+水)の量は
水:食塩水=90:100=9:10
食塩水=水×10/9=436.5g×10/9=485g
・元々の食塩水は450gなので、食塩を足す量は
485g-450g=35g (答え)
問題
15%の食塩水に水を80g加えたら9%の食塩水になった。15%の食塩水は何gあったか。
15%の食塩水に水を80g加えたら9%の食塩水になった。15%の食塩水は何gあったか。 ... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
方程式を使わないと難しいという意味で、いよいよ特殊算っぽくなってきましたが、まだまだ面積図等は無しでも普通に解けます。倍数算として解いてみます。
・水を加える前は15%
食塩:水=15:85 …①
・水を加えた後は9%
食塩:水=9:91 …②
・食塩の量は不変なので、その値を揃えて書き換える。
・①×3
食塩:水=45:255
・②×5
食塩:水=45:455
・食塩は45のまま水が455-255=200増えており、これが加えた80gの水である。すなわち、比の数値の「1」は80g÷200=0.4gである。
・以上により最初にあった食塩水の量は
0.4g×(45+255)=120g (答え)
問題
10%の食塩水Xgと15%食塩水Ygを混ぜて600gの食塩水を作るところ、間違えて逆にしてしまったので濃度が1%だけ少なくなった。X、Yの数量を求めよ。
食塩水問題 - 分かりません。10%の食塩水Xgと15%食塩水Ygを混ぜて600gの食塩... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
今回は最後の問題とします。こちらも方程式的なものは全く無しでも普通に算数で解けます。
・出来上がりが600gで、濃度が1%だけ少なくなったということは、食塩の量が
600g×0.01=6g
少なくなったことを意味している。
・10%と15%の濃度差は5%であり、間違ったことにより食塩の量が6g少なくなった訳だから、間違ったことにより両者の「差」が生じた食塩水の量は
6g÷0.05=120g
・すなわち当初に予定していたXとYは、Yのほうが120g多かったと分かるので、XとYを合わせて600gであることも踏まえて和差算により
X=(600g-120g)÷2=240g (答え)
Y=(600g-120g)÷2+120g=360g (答え)
・検算
(240×0.1+360×0.15)÷(240+360)=13%
(360×0.1+240×0.15)÷(360+240)=12% O.K.
おわりに
以上、基本式などの基本事項と、比較的簡単な部類の例題の解き方を事例として列挙しました。