算数の「比」 内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値 となっている本質的な意味
はじめに
ここで述べる考え方は、専門書やウェブ上のその他のページなどは一切読まずに記しており、すなわち「私の考え方」に過ぎませんのでご了承下さい。
内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値
A:B = C:D
この場合、
B×C = A×D
となります。子供の頃に学校で習ったことを覚えている方も多いかと思います。
例えば、
1:2 = 5:10
なら、
2×5 = 1×10
となっています。
「そんなこと、公式(丸覚え)でも何でもなく本質的に当たり前じゃないか」と感じられる方は、これ以降をお読み頂く必要はありません。
何故に「当たり前」かを以下に説明致します。
「大きさの比率が変わらない」ことの意味
比で表現されている数字というのは、大きさの比率を表しています。例えば、
1:2
と言うのは「右は左の2倍」
ですし、
5:10
と言うのも同様に「右は左の2倍」
です。従って両者は「右は左の2倍」という性質が同じですので、
1:2 = 5:10
という風にイコールで結ばれる訳です。
「内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値」の意味
と言うことは、
A:B = C:D
という式は必ず、
A:B = N×A : N×B
という風に書き直すことが出来ます。例えば、
1:2 = 5:10
であれば、
1:2 = 5×1 : 5×2
と書き直すことが出来る訳です。「大きさの比率は変わらない」訳ですから、極めて当たり前の話となります。
A:B = N×A : N×B
という風に書き直したものに対して考えれば、
内側どうしを掛けた値は B×N×A=N×A×B
外側どうしを掛けた値は A×N×B=N×A×B
であり両者は全く同じものですから、
内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値
となる訳です。
以上で算数的な説明は終わりとなります。
もっと平たく言葉で説明すると
もっと平たく言葉で説明すると、
「A:B = C:D という式のCとDと言うのはAとBをN倍したものなのだから、B×C=A×Dとなるのは当たり前の話」
ということになります。
余談:このやり方を知らずに比の問題を考える意味
現在小学四年生の我が家の一人息子ですが、算数検定6級(小学六年生レベル)を受験した際にこの「比」の問題が出てきましたが、塾に行かずに個人受験なので自宅で私が教えているのですが、今回は「自力で分かるものは細かく教えない」という方針としましたので、「比」に関しては「例えば50と100なら1:2みたいに書く」と最初に教えただけで、後は何も教えませんでした。
従って「内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値」というものも教えなかったのですが、それでも例えば、
8:2 = □:0.5
みたいな問題でも、□=2と正答していました。ちなみに分数の場合も全く問題無くて、本当に最初に「例えば50と100なら1:2みたいに書く」としか教えていません。
敢えて聞いていないので息子の頭の中のことまでは分かりませんが、たぶん「8:2は右が左の4倍だから、□=0.5×4=2」みたいな計算をしているのだろうと想像する次第ですが、「内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値」というやり方に杓子定規に当てはめて考えるのではなく、まずは自力で考えながら、今回述べた方法(私の勝手な考え方)と同じであっても全く異なるものであっても、息子なりの方法で「内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値」の本質的な意味に思いが至るようになって欲しいと思っています。
おわりに
以上、算数の「比」に関して「内側どうしを掛けた値=外側どうしを掛けた値」となっている本質的な意味について記しました。