分数の通分、約分の「本質」を図解により説明します
はじめに
PCでの表現のし易さのより、ここでは分数の表現に関して例えば二分の一なら
「1/2」という風に表現致しますのでご了承下さい。
また図解部分で色分けによる表現を使用しています。
分数の通分の本質
分数の足し算、引き算の際に必要となるのが「通分」です。すなわち「分母を揃える」作業ですが、形式的な(方法論的な)覚え方でも計算を行うだけなら問題ありませんが、その先の発展性を考えれば「本質」から理解しておくことが望ましいと考えます(これは通分や分数に限った話ではありませんが)。
その本質的な部分を図解により以下に説明致します。
1/3 + 1/4 =
という計算があったとして、その問題自体の意味を図解すると、円(まん丸)を「1」として考えた場合、
上図の両者を足したら全体(まん丸)の「1」に対してどのような大きさになるのか答えよと問われていることになります。
上図のようにそのまま足しても「全体の1/3 + 1/4です」と答えていることになり、すなわち「だから全体の何分の何なの?」が分からないという意味で何も答えていないことになります。
従って、両者を足す前に「1/3」と「1/4」を「同じパーツ」に分解します。すなわち、
上図のように左の「1/3」を「4/12」(1/12というパーツが4つ)に分解し、また右の「1/4」を「3/12」(1/12というパーツが3つ)に分解する訳です。
そして分解してから両者を足すと、
上図のように答えは「7/12」(1/12というパーツが7つ)と分かります。
以上が、
1/3 + 1/4 = 4/12 + 3/12 = 7/12
という計算式が表している本質となります。
分数の約分の本質
8/12 を約分せよ
と言われれば分子と分母の最大公約数である4で両者を割り、答えは「2/3」と分かる訳ですが、これの本質を以下に図解します。
「8/12」を図示すると上図の通りです。「約分せよ」という意味は、「一つひとつのパーツ(本例なら1/12)を細かく分け過ぎなので、全体(まん丸)「1」に対する大きさは変わらないまま、パーツの数を最小化せよ」という意味となります。
上図のように「4/12」(=1/3)ずつ緑、水色、黄色と分割しなおしても、その内の「緑と水色の部分(1/3が2つ分=2/3)」が元々(8/12)と同じ大きさとなります。これが、
8/12 = 2/3
という計算式が表している本質となります。
おわりに
以上、通分と約分の本質について図解で解説させて頂きました。