【算数】特殊算の解き方(5) 倍数算の解き方を解説します
はじめに
私は算数の専門家でも何でもありませんが、息子に算数を教えたり、質問サイトで回答者をやっていたり、もしくは趣味で問題を解いたりしていて、相当数の問題を解いています。そんな中で身に付けている知識を以下に記します。
今回は「倍数算」と呼ばれるものに関して記します。
なお、以下に記す解き方は全て「算数」の範囲内の内容となっています。方程式(中学数学)を使った「倍数算」についてお知りになりたい場合は、本ブログの別記事であるコチラをご参照下さい。
当ページの構成
前半でケース1~ケース3として、最も標準的な(と私が思っている)パターンの(最も初歩的な)問題と解き方を記します。
後半では質問サイトの過去ログで見付けた実戦的な問題を私なりに解いています。
ケース1:総量が不変なケース
問題
兄と弟の持っているお金の比は5:1でしたが、兄が弟に240円あげたところ、持っているお金の比は7:3に変化しました。最初に2人が持っていた金額はいくらですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
「2人の持っているお金の合計は変わらない」という点に着目するケースとなります。
・最初に持っているお金の比は
兄:弟=5:1 …①
比の数値の和は5+1=6
・兄が弟に240円あげた後のお金の比は
兄:弟=7:3 …②
比の数値の和は7+3=10
・和の「6」と「10」が同じ数字となるように式を変形する。両者の最小公倍数は30なので、それで揃えるものとし、①×5、②×3と変形する。
・①×5
兄:弟=25:5 …③
・②×3
兄:弟=21:9 …④
・以上により、③から④に向けて兄の減少量「4」と弟の増加量「4」は等しくなる。これが「兄が弟にあげた240円」に他ならないので、比の数値の「1」は240円÷4=60円と分かる。
・従って最初に持っていた額(答え)は
兄 60円×25=1500円
弟 60円×5=300円
ケース2:差が不変なケース
問題
兄と弟の持っているお金の比は7:1でしたが、2人がお母さんから260円ずつもらったところ、比は9:5となりました。最初に2人が持っていた金額はいくらですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
「2人の持っているお金の差は変わらない」という点に着目するケースとなります。
・最初に持っているお金の比は
兄:弟=7:1 …①
比の数値の差は7-1=6
・それぞれが260円もらった後のお金の比は
兄:弟=9:5 …②
比の数値の差は9-5=4
・差の「6」と「4」が同じ数字となるように式を変形する。両者の最小公倍数は12なので、それで揃えるものとし、①×2、②×3と変形する。
・①×2
兄:弟=14:2 …③
・②×3
兄:弟=27:15 …④
・以上により、③から④へ向けて2人とも「13」増えることになり、これが「260円」に他ならないので、比の数値の「1」は260円÷13=20円と分かる。
・従って最初に持っていた額(答え)は
兄 20円×14=280円
弟 20円×2=40円
片方が不変のケース
問題
兄と弟の持っているお金の比は3:1でしたが、弟がお母さんから200円もらったところ、比は5:3となりました。最初に2人が持っていた金額はいくらですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
片方(兄)のお金が変わらないことに着目するケースです。
・最初に持っているお金の比は
兄:弟=3:1 …①
・弟が200円もらった後のお金の比は
兄:弟=5:3 …②
・兄の値が同じになるように式を変形する。「3」と「5」の最小公倍数は15なので、①×5、②×3と変形する。
・①×5
兄:弟=15:5 …③
・②×3
兄:弟=15:9 …④
・以上により、③から④に向けて兄は不変なのに弟は「4」増えることになる。これが「200円」に他ならないので、比の数値「1」は200円÷4=50円と分かる。
・従って最初に持っていた額(答え)は
兄 50円×15=750円
弟 50円×5=250円
以上、シンプルな3ケースについて述べました。
実戦での複雑な問題を解いてみます
問題
A、B、Cの3人の所持金の比は6:5:2でしたが、AがCに200円あげたので、その比は11:10:5になりました。はじめにBはいくら持っていましたか。
解答(解説)
・最初
A:B:C=6:5:2 …①
(A+C=6+2=8)
・AがCに200円あげた後
A:B:C=11:10:5 …②
(A+C=11+5=16)
・A+Cは不変なので、それが変わらないように、①を2倍した数字で表します。
A:B:C=12:10:4 …①’
・①'から②を見ると、Aが1減ってCが1増えています。この「1」が「AがCにあげた200円」ですから、すなわち比の「1」という値が200円に相当すると分かります。
・以上により、①'が問われている「はじめに持っていたお金」なので
B=200円×10=2000円 (答え)
・検算
最初
A=200円×12=2400円
B=2000円(上記答え)
C=200円×4=800円
A:B:C=6:5:2 O.K.
AがCに200円あげると
A=2200円
B=2000円
C=1000円
A:B:C=11:10:5 O.K.
問題
あき子さんは1500円 かおりさんは800円もっていましたが2人は同じお金をだして 本を1さつ買いました。残りのお金を調べたらあきこさんの残りのお金は かおりさんの残りのお金の
3倍より80円多い事がわかりました。
2人がお金を出し合って買った本の値段は何円ですか?
解答(解説)
・最初の2人の差額は
1500円-800円=700円
・2人とも同額を支出しているので、この差額は変わらない。
・お金を出した後は「あきこさんはかおりさんの3倍より80円多い」ことから
→あきこさんを80円減らせば丁度3倍となる
→その時の差額は700円-80円=620円
→あきこ:かおり=3:1なので、その差「2」が620円
→すなわち比の数値の「1」は310円
→以上により支出した後のかおりさんの所持金は310円
・従ってかおりさんの支出額は
800円-310円=490円
・この2倍が本の額なので
490円×2=980円 (答え)
・検算
あきこ
1500円-980円÷2=1010円
かおり
800円-980円÷2=310円
あきこ÷かおり
=1010円÷310円=3あまり80円 O.K.
問題
Aは、Bの持っていたお金の3倍より、1000円多いお金を持っていました。
2人とも、1400円、使ったので、Aのお金はBのお金の5倍になりました。
はじめ、2人はそれぞれ、何円もっていましたか。
解答(解説)
・最初にAが持っているお金を1000円減らして考える。
・するとAはBの丁度3倍となり、そこからAは400円、Bは1400円使うと、丁度5倍になることになる。
・Aは(1000円減らした)所持金を3つの財布に等分する。Bは1つの財布にそのまま入れる。すると全ての財布の金額は等しくなっている。
・そこからAは400円を使う。財布は3つあるので、1つあたり400/3円減る。
・Bは1400円使う。財布は1つなので、そのまま1400円減る。
・残ったお金を比較すると、全体としてはAはBの5倍となっているが、財布の数が3つと1つなので、財布1つあたりの金額で言えば、A:B=5:3となっている(全体で15:3すなわち5倍となっている)。
・この比の差「2」が、1400円-400/3円=3800/3円に他ならないので、比の数値の「1」は3800/3円÷2=1900/3円となり、Bの財布の残り「3」は
1900/3円×3=1900円
と分かる。
・これがBが1400円使った後の残額なので、Bが最初に持っていた額は
1400円+1900円=3300円 (答え)
・Aが最初に持っていた額は
3300円×3+1000円=10900円 (答え)
・検算
(10900円-1400円)÷(3300円-1400円)=5倍 O.K.
おわりに
以上、倍数算に関して記しました。
【算数】特殊算の解き方(4) 分配算の解き方を解説します
はじめに
私は算数の専門家でも何でもありませんが、息子に算数を教えたり、質問サイトで回答者をやっていたり、もしくは趣味で問題を解いたりしていて、相当数の問題を解いています。そんな中で身に付けている知識を以下に記します。
今回は「分配算」と呼ばれるものに関して記します。
定義は曖昧と思う
と言っても、和差算、鶴亀算、年齢算などは定義というか内容がはっきりしているように思いますが、分配算に関しては定義が曖昧というか、ようは何かを「分配」さえしていれば「分配算」なのであって、その内容は例えば和差算と変わらなかったり、倍数算と変わらなかったりするという印象です。
ちなみにウィキペディアには以下のように書かれています。
分配算(ぶんぱいざん)は、ある物を配ったり分けたりする行為により派生する、「比」や「和・差」を利用して解く問題。(1)・(2)…といった丸に囲まれた数字を利用して解くのでマルイチ算とも言う。算数の文章題の一つ。
分配算 - Wikipediaより引用
ようは「比」をメインで考える問題は倍数算等と変わらないし、和差をメインで考える問題は和差算と変わらないということなのだろうと思います。
そんな訳で、以下では質問サイトの過去ログから「分配算」というキーワードで検索して見つけた問題を私なりに解いてみた解法を記したいと思います。
分配算を解いてみる
問題1
分配算、中学受験生の問題です。
長さ60センチのリボンをA、B、Cの3つのリボンに分けました。AはBの3倍より1.2cm短く、BはCの2倍より1.8cm長くなりました。Bの長さは何cmですか。
解答(解説)
私が考えた解答です。内容は倍数算となっています。ピッタリと○倍に変形することがポイントとなります。
・実際の長さから以下の通り細工する。
Aは1.8cm×3-1.2cm=4.2cm短くする。これをaと称す。
Bは1.8cm短くする。これをbと称す。
Cはそのまま。
合計は60cm-4.2cm-1.8cm=54cm
・これで以下の通りとなる。
aはbの丁度3倍
bはCの丁度2倍
・すなわち、
a=b×3
b=b
C=b×0.5
・以上により全部の長さ54cmはbの4.5倍と分かるので
b=54cm÷4.5=12cm
・これは実物Bから1.8cmを引いた値なので実際は
B=12cm+1.8cm=13.8cm (答え)
・ちなみに
A=b×3+4.2cm=40.2cm
C=b×0.5=6cm
問題2
中学受験の分配算の問題について教えてください。
姉は600円、妹は150円持っていました。おばあちゃんが2人に同じ金額ずつおこずかいをあげたら、姉の持っているお金は妹の2倍になりました。おばあちゃんは2人に何円ずつおこずかいをあげましたか。
解答(解説)
私が考えた解答です。内容は年齢算となっています。
比を使う解き方
・お金をもらう前
姉:妹=600:150 …①
(差は450)
・お金をもらった後
姉:妹=2:1 …②
(差は1)
・差を合わせる為、②を450倍する。
姉:妹=900:450 …③
・①、③より、2人はそれぞれ300円もらったと分かる。
・答え 300円
値を仕分ける解き方
・姉の600円を以下のように仕分ける。
150円+450円
・妹の150円はそのまま。
150円
・2人の「150円」が「450円」に増えれば、
姉
450円+450円
妹
450円
となり「姉は妹の2倍となる」
・以上により2人はそれぞれ300円もらったと分かる。
・答え 300円
問題3
注)引用元の記述では誤った記述と訂正の併記となっていますが、正しく書き直した状態で引用しています。
分配算の問題の解き方を教えて下さい
姉のおこづかいは妹のおこづかいよりも900多い金額で妹のおこづかいは姉の3/5より300円すくないです。
姉と妹はそれぞれいくらずつおこづかいをもらっていますか?
解答(解説)
私が考えた解答です。内容は和差算となっています。
・妹の額に300円を加えると以下の通りとなる。
姉は妹より600円多い
妹は姉の3/5
・以上により姉の2/5が「600円」と分かるので
姉=600円÷2/5=1500円 (答え)
・妹は姉の3/5から、最初に加えた300円を引き
妹=1500円×3/5-300円=600円 (答え)
おわりに
以上、分配算に関して記しました。
【算数】特殊算の解き方(3) 年齢算の解き方を解説します
はじめに
私は算数の専門家でも何でもありませんが、息子に算数を教えたり、質問サイトで回答者をやっていたり、もしくは趣味で問題を解いたりしていて、相当数の問題を解いています。そんな中で身に付けている知識を以下に記します。
今回は「年齢算」と呼ばれるものに関して記します。
なお、以下に記す解き方は全て「算数」の範囲の内容となっています。「方程式」(数学)による解き方をお知りになりたい場合は本ブログの別記事であるコチラをご参照下さい。
では、解説を始めます。
「比」を使って解く方法
この方法は形式的すぎて個人的にはあまり好きでは無いのですが(面白みが無いという意味)、標準的な問題に対して素早く解くという意味では最も簡単だと思う方法となります。
例題1
母は44歳、息子は10歳です。母の年齢が息子の年齢の2倍となるのは何年後ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・現在の年齢を比で表します。
母:息子=44:10 …①
※約分はせずにそのままとします。
※年齢差は44-10=34です(ここが重要)。
・何年後かの「母の年齢が息子の年齢の2倍」を比で表します。
母:息子=2:1 …②
※比の「差」は2-1=1
・比の「差」が34となるように、②を34倍します。
母:息子=68:34 …③
・この③が何年後かの「母の年齢が息子の年齢の2倍」の時の年齢に他なりません。何故なら母の値が息子の2倍で、かつ「年齢差が34」だからです(年齢差は何年経ってもずっと一定)。
・以上により①から③までの年数は、母の年齢を引き算しても、息子の年齢を引き算しても「24年」と分かります(どちらで計算しても良い)。
・答え 24年後
例題2
母は44歳、息子は10歳です。母の年齢が息子の年齢の3倍となるのは何年後ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・現在
母:息子=44:10 …①
(年齢差34)
・何年後か
母:息子=3:1 …②
(比の「差」は2)
・②を34÷2=17倍
母:息子=51:17 …③
・答え 7年後
例題3
母は31歳、息子は6歳です。母の年齢と息子の年齢の比が9:4となるのは何年後ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・現在
母:息子=31:6 …①
(年齢差25)
・何年後か
母:息子=9:4 …②
(比の「差」は5)
・②を25÷5=5倍
母:息子=45:20 …③
・答え 14年後
例題4
兄は18歳、弟は12歳です。兄の年齢が弟の年齢の3倍だったのは何年前ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・現在
兄:弟=18:12 …①
(年齢差6)
・何年か前
兄:弟=3:1 …②
(比の「差」2)
・②を6÷2=3倍
兄:弟=9:3 …③
・答え 9年前
年齢の値を仕分けして考える方法
こちらの方法のほうが個人的には好みですし応用性もあると思います。上と同じ例題を用いて説明していきます。
例題1
母は44歳、息子は10歳です。母の年齢が息子の年齢の2倍となるのは何年後ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・母の年齢44を以下のように仕分けします。
10+34
・息子の年齢10はそのまま置きます。
10
・2人とも1年に1ずつ数字が増えます。2人の「10」が「34」にまで増えた時、「母の年齢が息子の年齢の2倍」となります。
・従って
答え 34-10=24年後
例題2
母は44歳、息子は10歳です。母の年齢が息子の年齢の3倍となるのは何年後ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・母の年齢44を以下のように仕分けします。
10+17+17
・息子の年齢10はそのまま置きます。
10
・2人とも1年に1ずつ数字が増えます。2人の「10」が「17」にまで増えた時、「母の年齢が息子の年齢の3倍」となります。
・従って
答え 17-10=7年後
例題3
母は31歳、息子は6歳です。母の年齢と息子の年齢の比が9:4となるのは何年後ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・先に息子の年齢6を以下のように仕分けします。
1.5+1.5+1.5+1.5
・次に母の年齢31を以下のように仕分けします。
1.5+1.5+1.5+1.5+5+5+5+5+5
・2人の「1.5」が「5」にまで増えた時、「母の年齢と息子の年齢の比が9:4」となります。
・2人は1年に1ずつ歳を取りますので、2人の「1.5」は1年で1÷4=0.25ずつ増えます。
・従って
答え (5-1.5)÷0.25=14年後
例題4
兄は18歳、弟は12歳です。兄の年齢が弟の年齢の3倍だったのは何年前ですか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・兄の年齢18を以下のように仕分けします。
12+3+3
・弟の年齢12はそのまま置きます。
12
・2人とも1年遡るごとに1ずつ数字が減ります。2人の「12」が「3」にまで減った時、「兄の年齢が弟の年齢の3倍」となります。
・従って
答え 12-3=9年前
応用問題(人数が増えるケース)
問題
いま、母は38歳、兄は11歳、弟は5歳です。
母の年齢が兄弟の年齢の和の2倍になるのは、今から何年後ですか。いま、母は38歳、兄は11歳、弟は5歳です。 - 母の年齢が兄弟の年齢の和の2倍にな... - Yahoo!知恵袋より引用
解答(解説)
母は1年で1つ歳を取りますが、兄弟は合わせて2つ歳を取りますので、冒頭で述べた「比を使う方法」では上手くいかないケースとなります。以下、上で述べた「年齢の値を仕分けして考える方法」で解きます。
なお、引用元の回答(ベストアンサー)は私が回答したものですが、コピーではなく改めて以下に記します。
要点を先に述べると、兄弟側を同じ値2つに仕分けして、その値を母側に「1つ」設けると「母は1年で1つ歳を取りますが、兄弟は合わせて2つ歳を取る」部分に上手く対応出来ます。
・兄弟合わせると11+5=16歳なので、それを以下のように仕分けします。
8+8
・母の年齢38は以下のように仕分けします。
8+10+10+10
・1年で兄弟は合わせて2つ歳を取りますので、2つの「8」が1ずつ増えていきます。母は1年で1つ歳を取りますので、1つの「8」が1ずつ増えていきます。
・従って10-8=2年後
兄弟
10+10
母
10+10+10+10
となり「母の年齢が兄弟の年齢の和の2倍」となります。
・答え 2年後
更に複雑な年齢算
問題
現在、父は37歳、母は39歳で、この家には3人の子供がいて、それぞれ12歳、11歳、7歳です。
今から何年後に子供の年齢の和は、父母の年齢の和の4分の3になりますか?
解答(解説)
当ブログの別ページで記した解法ですが改めて書き直して記します。基本的に上で述べた「年齢の値を仕分けして考える方法」となります。
・父母の年齢の合計37+39=76を以下のように仕分ける。
19+19+19+19
・子供3人の年齢の合計12+11+7=30を以下のように仕分ける。
10+10+10
・全ての値が同じになれば、「子供の年齢の和は、父母の年齢の和の4分の3」となる。
・父母は人数が2なので、一年で年齢が2増えるので、4つの値は2÷4=0.5ずつ増える。
・子供は人数が3なので、一年で年齢が3増えるので、3つの値は1ずつ増える。
・従って父母の4つの値と子供の3つの値の差は、一年で1-0.5=0.5ずつ縮まる。
・以上により(19-10)÷0.5=18年後、全ての値は同じとなる。
・答え:18年後
年齢とは異なるものを扱う年齢算
問題
兄は1000円持っています。弟は780円持っています。二人で同じ値段の本を買ったので、残ったお金を比べると弟は兄の6割になっていました。はじめに持っていたお金は?
注)引用元の問題文をそのまま引用していますが、末尾の「はじめに持っていたお金は?」は誤りで、正しくは「本の値段はいくらですか?」となります。
解答(解説)
・最初に異なる2人の数字がある。
・2人とも同じ値の変化がある。
・変化後の比率が与えられている。
という部分が年齢算そのものとなっている問題となります。以下、当ブログの別ページで記した解法をそのまま記します。
・弟のお金を780円÷3=260円ずつ3分割します。
弟 260+260+260
・兄も弟と同じように並べ、更に余った220円を110円ずつ2分割します(合計1000円)。
兄 260+260+260+110+110
・すると、2人それぞれの「260」が「110」に変われば、「弟は兄の6割」となりますので、本の値段は
(260-110)×3=450円 (答え)
おわりに
以上、年齢算に関して記しました。
【算数】特殊算の解き方(2) 鶴亀算の解き方を解説します
はじめに
私は算数の専門家でも何でもありませんが、息子に算数を教えたり、質問サイトで回答者をやっていたり、もしくは趣味で問題を解いたりしていて、相当数の問題を解いています。そんな中で身に付けている知識を以下に記します。
今回は「鶴亀算」(つるかめ算)と呼ばれるものに関して記します。
鶴亀算(つるかめ算)の基本
問題
鶴と亀が合わせて8匹います。鶴の足は1匹あたり2本、亀の足は1匹あたり4本です。足の数は全て合わせて22本です。鶴と亀は何匹ずついますか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
最も基本的なパターンの問題となります。
・仮に8匹全てが亀と仮定します。
足の数=4本×8匹=32本
・実際の足の本数より
32本-22本=10本多い
・上の仮定より1匹ずつ亀→鶴に入れ替えていくと、足の数は2本ずつ減ります。
・従って
10本÷2本=5匹
を亀→鶴に入れ替えると、足の数は22本になると分かります。
・以上により答えは
鶴…5匹
亀…8匹-5匹=3匹
「当てずっぽう」とは違う点
上の例題であれば「そんなに難しく考えなくとも5匹と3匹ってすぐに分かるだろう」とも言えるかも知れませんが、きちんとした筋道で「考える」ことと「当てずっぽう」の違いは以下のように数字が複雑になると差が出ます。
問題
鶴と亀が合わせて214匹います。鶴の足は1匹あたり2本、亀の足は1匹あたり4本です。足の数は全て合わせて610本です。鶴と亀は何匹ずついますか。
(この問題は私の自作です)
解答
214×4=856
856-610=246
246÷2=123
214-123=91
答え 鶴123匹 亀91匹
鶴と亀の問題だけでは無い鶴亀算
問題
4km離れた駐車場まで行くのに、始めは毎分60mの速さで歩いていたが、遅くなりそうなので、途中から毎分85mの速さで歩いて50分で駐車場へ着いた。速さを変えた地点は出発点から何mのところか。
解答(解説)
私が考えた解答です。
・仮に50分間全てを分速85mで歩いたと仮定する。
・すると歩く距離は85×50=4250m
・実際に歩いたのは4km=4000mなので、上記仮定では250m多い。
・上記の仮定から1分ずつ分速85m→分速60mに入れ替えると、歩く距離を25m減らすことが出来る。
・従って250m÷25m=10分を、分速85m→分速60mに入れ替えれば良い。
・以上により最初に分速60mで歩いていた時間は10分間と分かる。
・そこで歩いた距離は分速60m×10分=600m (これが答え)
問題
あるIT企業の去年の内定者数は800人であった。今年の内定者数は、男性が10%増加し、女性が20%減少したが、全体としては20人増加した。去年の男性の内定者は何人か。
解答(解説)
私が考えた解答です。
・仮に去年の男女が400人ずつと仮定する。
・すると今年の総数は400×0.2-400×0.1=40人減る。
・しかし実際には20人増えている。
・その差は40人+20人=60人である。
・その差を埋めるために、上記の仮定の状態から1人ずつ「女→男」に入れ替えていくと、総数は0.2+0.1=0.3人ずつ増えていく。
・従って60÷0.3=200人を入れ替えれば、その差は埋まる。
・以上により去年の男性の人数は400+200=600人 (答え)
おわりに
冒頭で記した「典型的な鶴亀算」というような問題は実際には少なくて、後半で記したような速度とか平均など色々な問題で「鶴亀算を使えば簡単に解ける」という形で登場することが多いという印象です。
【算数】特殊算の解き方(1) 和差算の解き方を解説します
はじめに
私は算数の専門家でも何でもありませんが、息子に算数を教えたり、質問サイトで回答者をやっていたり、もしくは趣味で問題を解いたりしていて、相当数の問題を解いています。そんな中で身に付けている知識を以下に記します。
今回は「和差算」と呼ばれるものに関して記します。
和差算の基本
問題
みかんとりんごが合わせて14個あります。みかんはりんごより2個多いです。みかんとりんごはそれぞれいくつありますか。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
「和」が14、「差」が2であることに着目してそれぞれの個数を出すもので、和差算の最も基本的な形と思います。
・以下のような線分図を考えます(別に線分図を使わなくても良いです)。
みかん□□□□□□□□
りんご□□□□□□
・それぞれの個数はまだ分かりません。まず、「差」が2個であることに着目し、そこを省きます。今回は説明用に■に塗りつぶします。
みかん□□□□□□■■
りんご□□□□□□
・「和」が14個ですから、塗りつぶした2個を除いた残りは12個となります。そして残っている部分はそれぞれ同じ個数ですから、みかんもりんごも6個ずつと分かります。
・従ってみかんの個数は先に除いた2個を戻し8個、りんごは6個が答えであると分かります。
・以上の流れを式だけで書くと以下の通りです。
みかん=(14-2)÷2+2=8
りんご=(14-2)÷2=6
・以上で終わりです。
「当てずっぽう」とは違う点
上の例題であれば「そんなに難しく考えなくとも8個と6個ってすぐに分かるだろう」とも言えるかも知れませんが、きちんとした筋道で「考える」ことと「当てずっぽう」の違いは以下のように数字が複雑になると差が出ます。
問題
みかんとりんごが合わせて2163個あります。みかんはりんごより633個多いです。みかんとりんごはそれぞれいくつありますか。
(この問題は私の自作です)
解答
みかん=(2163-633)÷2+633=1398個
りんご=(2163-633)÷2=765個
「和差算」は色んなところで出てくる
上の例題のように「和差算」の部分のみに着目した文章問題もある訳ですが、それだけでなく例えば食塩水の問題とか、速度の問題とか、色んなジャンルの問題を解いていく途中で何かの和と差が分かり、「和差算」を使って次に進むための値を算出するというような現れ方も非常に多いと思います。
そういう意味では和差算というのは「比」とか「単位あたりの大きさ」などのような基本事項的な位置づけであるようにも感じています。
和差算の応用問題
問題
みかんとりんごといちごが合わせて74個あります。みかんはりんごより12個少なく、みかんはいちごより13個多いです。それぞれの個数を求めなさい。
(この問題は私の自作です)
解答(解説)
・総数74個から12を引き、13を加える。
74-12+13=75
・これでみかんの個数の3倍となるので、
みかん=75÷3=25個
・残りはそれぞれの差により、
りんご=25+12=37個
いちご=25-13=12個
おわりに
今まで目にした問題では、上で述べたようなシンプルな形の問題よりも、もっと複雑な問題のほうが圧倒的に多いという印象です。
すなわち、和差算やその他の基本知識を一つ一つ身に付けて、それらの複数を駆使して問題を解いていくようなイメージの問題が多いと思います。